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新型コロナウイルス対策として2020年春、多くの企業が社員を在宅勤務に切り替えた。複合機やデジタル印刷システムの販売や関連ソリューションの提供などを手掛けるコニカミノルタジャパンは2020年2月から在宅勤務を開始。6月の社員調査では社員の8割が在宅勤務開始後も、従来の生産性を維持もしくは向上させたと判明した。2017年以降、テレワークができるシステムの拡充やペーパーレス化に取り組んできたことなどが奏功した。

 コニカミノルタジャパンは2020年6月半ば、新型コロナ対策としての在宅勤務を始めてから4カ月ほどたったタイミングで社員の働き方や意識がどうなっているのかを探るために3500人の全社員に向けてアンケートを実施した。

コニカミノルタジャパンが2020年6月、社員を対象に実施したアンケート調査の結果の一部
コニカミノルタジャパンが2020年6月、社員を対象に実施したアンケート調査の結果の一部
(出所:コニカミノルタジャパン)
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 在宅勤務に移行してから仕事の生産性がどう変わったかを尋ねたところ、「低下したと回答した社員は1割台にとどまった。半数近くは変わらないと回答し、3割程度の社員は生産性が向上したと答えた」。同社で在宅勤務を含めたテレワークの社内推進を担当してきたデジタルワークプレイス事業統括部DWP事業企画統括部いいじかん設計企画部の牧野陽一部長はこう語る。同社は2017年2月から、全社員を対象に在宅勤務を含めたテレワーク制度を運用してきた。

 新型コロナウイルス対策としてのテレワークは2020年2月中旬から始めた。当初は全社員を対象に在宅勤務を中心とするテレワークを推奨。2020年4月から5月にかけて政府が緊急事態宣言を発令している最中は、社員は原則テレワーク勤務をすることにしていた。一連の流れの中で、大須賀健社長をはじめとする経営陣もテレワークに積極的に取り組んだ。

テレワークに取り組むコニカミノルタジャパンの大須賀健社長。経営陣を含む全社員がテレワークで担当する業務を進めてきた
テレワークに取り組むコニカミノルタジャパンの大須賀健社長。経営陣を含む全社員がテレワークで担当する業務を進めてきた
(出所:コニカミノルタジャパン)
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 緊急事態宣言の発令中、出社する必要が出てきた社員は事前に申請して、上司から承認を得ることを求めた。政府が緊急事態宣言を解除した後はテレワークを推奨するレベルに引き下げた。内勤の社員は基本的には在宅勤務を続けている。前出の調査結果について牧野部長は「在宅勤務で仕事がはかどるようになった社員が増えたことは大きな成果だ」と話す。

 新型コロナウイルス対策として緊急でテレワークを始めた企業は一般に「生産性の向上を実感できない」と考える社員が少なくないという。日本生産性本部が2020年5月に実施した調査によると、在宅勤務をした人のうち、約6割が効率について下がったと答えている。ITを含めた在宅勤務の環境整備が十分に整っていなかったと考えられる。

 一方、コニカミノルタジャパンは在宅勤務で生産性を維持あるいは向上した社員が8割に上る。その理由を「ここ数年、在宅勤務をスムーズに進められるよう、毎年課題を見つけて解決してきた。そうした積み重ねがあったため2020年2月からスムーズにテレワークへ移行できた」と牧野部長は分析する。