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 「テレワークする社員数が増え、画面が固まってしまったり、入力が遅れたりしていた」――。大阪ガスのイノベーション本部情報通信部ITインフラ・セキュリティチームに所属する小倉政毅氏は2020年4月における同社のテレワーク環境について、こう振り返る。

大阪ガスのWebサイト
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(出所:大阪ガス)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開始したテレワークだったが、大阪ガスも他の企業と同様に、社員が自宅から社内システムにアクセスする際の処理速度が出ないことに悩んでいた。 それが「ゴールデンウイーク明けに気がついたら処理性能が速くなっていた」(大阪ガス社員)という。どう解決したのだろうか。

2種類のデスクトップ仮想環境が混在

 大阪ガスはゴールデンウイーク中に既存の仮想環境をうまく拡張することで、処理性能の課題を解決した。性能低下を1カ月で解消したことになる。

 同社でも2020年3月から4月にかけて、テレワークをする社員が増えていった。社員が使うパソコンの約7割を仮想デスクトップ環境(VDI)で構築していたこともあり、テレワークへの移行はスムーズに進んだ。しかし、非常事態宣言が発令された2020年4月7日あたりからサーバーのCPU使用率は95%を超えるほどに高まり、徐々に遅延が目立つようになってきた。VDIに2つの負荷が増えたからだった。

 1つは同時接続数の増加だ。社員が使うパソコンの残り3割に当たる「ファット端末」もVDIで接続するよう変更したことが招いた。

 もう1つは「専有型」VDIのニーズが増えたことだ。大阪ガスは2種類のVDIを運用している。サーバーに配置したOSやアプリケーションを複数のユーザーが「共有」する方式と、仮想サーバーに複数の仮想OSを配置し、その上に各人が「専有」するデスクトップ環境を構築する方式である。

 前者は決まったアプリケーションしか使えないため自由度は低いものの、少ないリソースで多くのユーザーが使える利点がある。対して後者は、部署で必要なアプリケーションを選べるなど自由度が高い半面、サーバーへの負荷も高くなる。