全5031文字
PR

新型コロナウイルス対策として2020年春、多くの企業が社員を在宅勤務に切り替えた。アフラック生命保険は、従業員向けにコミュニケーションツールの使い方や管理職向けにマネジメント手法に関する研修を実施するなどして、社員の在宅勤務を支援した。単身赴任をせずとも働けるよう分身ロボットも活用する。前編ではアフラックがテレワークを支援するうえでどう業務ツールを活用しているのか、勤務制度や態勢をいかに在宅勤務がしやすいように変えてきたのかの2つの観点から探る。

 医療保険やがん保険を手掛けるアフラック生命保険は新型コロナ対策としてのテレワークを、2020年2月下旬から時差出勤とともに始めた。それ以降、およそ5000人いる社員は担当する仕事が在宅でできるのであれば、基本的には在宅勤務をするようにしている。政府が緊急事態宣言を発令していた2020年4月から5月までの間は、出社する社員を70%以上減らすという目標を掲げて達成。緊急事態宣言が解除された後も約60%の社員が在宅勤務を続けている。

在宅勤務に取り組むアフラック生命保険の社員
在宅勤務に取り組むアフラック生命保険の社員
(出所:アフラック生命保険、以降同じ)
[画像のクリックで拡大表示]

 コミュニケーションツールはこれまでも充実させてきた。資料の共有などの用途で米Microsoft(マイクロソフト)の「Skype for Business」、社外との打ち合わせなどで米Cisco Systems(シスコシステムズ)のWeb会議サービス「Cisco Webex Meetings」、複数の人で音声通話をするときのために米PGi(プレミア・グローバル・サービス)の「GlobalMeet」などを利用してきた。2020年に入ってからは「Microsoft Teams」を本格導入して社内普及を進めている。地震発生時や台風の到来時といった緊急の際に社員の安否確認ができるシステムも使って、毎日メールで社員の健康状態などを把握している。

Web会議の仕方やマネジメント手法を紹介

 新型コロナ対策として在宅勤務を始めるに当たって、アフラックは社員がスムーズに在宅勤務を行えるようにするために、ツールに関する情報を提供したりeラーニングを実施したりした。

 提供した情報の1つがコミュニケーションツールに関するものだ。営業や企画部門の社員は社外とのやり取りで使い慣れていたが、内勤が中心の業務部門では、WebexやTeamsを初めて使う社員が少なくなかったという。そこで「社内ポータルサイトや毎週社内で放送しているニュース番組などを通して、ツールのメリットや使い方を説明した」とダイバーシティ推進部の貫名萌課長代理は説明する。

アフラック生命保険が設けている社内ポータルサイト
アフラック生命保険が設けている社内ポータルサイト
[画像のクリックで拡大表示]

 WebexやTeamsなどを使うメリットについては「出社していたときと同じように互いの顔を見ながらコミュニケーションが取れる」「共有機能を使って資料を見ながら議論できる」といったことを訴求した。そのうえで具体的にどう使っていけばよいかを紹介するため、WebexやTeamsの使い方に関する動画を社内ポータルサイトで公開。社員が視覚的に使い方を把握できるようにした。

社内ポータルサイトでTeamsやWebexに関する情報も発信している
社内ポータルサイトでTeamsやWebexに関する情報も発信している
[画像のクリックで拡大表示]

 より効率的に働く工夫も紹介している。Web会議サービスの利用状況を調べたところ、資料を共有する使い方は広まっていても、共有した資料をその場で編集する使い方をする社員が少ないことが分かった。そこで「共有した資料はWeb会議中に編集もできる。議論しながら資料を手直しできるので、会議が終わってから資料を作成する手間がかからない」といった業務効率化のヒントも社員に伝えている。

 一方のeラーニングは管理職に向けて「テレワークにおけるマネジメント」をテーマに実施した。上司と部下が離れて働くテレワークでは、マネジメントのポイントは、出社勤務の場合と異なる。管理職にそれを学んでもらい、在宅勤務中でも部下と円滑にコミュニケーションを取ったり、評価をしたりできるようにすることを目指した。

テレワークマネジメント研修のeラーニングコンテンツ例
テレワークマネジメント研修のeラーニングコンテンツ例
[画像のクリックで拡大表示]

 参加した管理職からは好評を得ているという。受講者からは「メールでのやり取りではなくチャットやWeb会議をより一層活用していく必要がある」「朝礼など、全員が集まる機会をあえてつくることで、社員が孤独だと感じさせないようにする仕掛けが必要だ」「Web会議を始める前にメンバー同士で雑談をして各メンバーの状況を捉えていくことが大切」「各メンバーのタスクを見える化したうえで、PDCAを回していく必要がある」といった感想が出てきているという。