
人工知能(AI)、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、ドローン、ロボット。先進ITで農業を進化させる「アグリテック」が多方面で進行中だ。農業機械メーカー、食品会社、ITベンダー、ロボットベンチャーなどがそれぞれアイデアを具現化し、百花繚乱(りょうらん)の状態だ。アグリテックは既に効果を上げている。米の収穫量を15%増やす、水田の見回り作業を3割以上軽減する、害虫を見つけてピンポイントで農薬を散布しコストを下げる、といった具合だ。日本の農業を救うアグリテックの先端事例を明らかにする。
AI、IoT、ドローン、ロボットが農業を救う
人工知能(AI)、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、ドローン、ロボット。先進ITで農業を進化させる「アグリテック」が多方面で進行中だ。農業機械メーカー、食品会社、ITベンダー、ロボットベンチャーなどがそれぞれアイデアを具現化し、百花繚乱(りょうらん)の状態だ。アグリテックは既に効果を上げている。米の収穫量を15%増やす、水田の見回り作業を3割以上軽減する、害虫を見つけてピンポイントで農薬を散布しコストを下げる、といった具合だ。日本の農業を救うアグリテックの先端事例を明らかにする。
出典:日経コンピュータ、2020年5月14日号 pp.22-35
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国内の稲作農地の5%で、クボタのIoTコンバインが導入されている。農家は収穫した米をセンサーで測定し、乾燥工程や翌年の施肥に生かす。導入から3年で米の収穫量を15%増やした農家もある。
アグリテックによる作物の栽培では、人工衛星やIoT、AI、ドローンなどの技術が効果を発揮する。アグリテックのベンチャー、プラントライフシステムズ(PLS)はIoTでトマトの収穫量を5割増やした。
アグリテックによる作物の栽培では、人工衛星やIoT、AI、ドローンなどの技術が効果を発揮する。病害虫を探索しピンポイントで農薬を散布するドローンが登場した。害虫や病気のAI診断システムも2021年度に提供が始まる。
アグリテックのベンチャー、inahoはアスパラガスの収穫ロボットを実用化し売り出した。オプティムは農場の果実1つひとつが収穫期かどうか診断するAIを開発中だ。
航空部品などを手掛けるシンフォニアテクノロジーは、摘み取った大葉から出荷基準を満たすものをえり分けるロボットの開発を進めている。