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 鉄道車両の床下にはさまざまな機器があり、主にボルトで取り付けられている。このボルトの締め付けトルクは厳格な管理の対象だ。緩んだり外れたりすると、機器や部品の落下、車両の故障を引き起こして、人命にかかわる重大な事故につながりかねない。

 日立製作所鉄道ビジネスユニット笠戸事業所は、床下機器の締め付けボルトや、モーターへの各種装置の締め付けボルトのトルク管理にAR(拡張現実感)システムを導入した(図1。作業者がヘッドマウント・ディスプレー型のウエアラブル機器を装着し、ボルトを目視しつつ、そのボルトについての指示を受け、作業結果をコンピューターが記録する仕組み。万一にもボルトと記録情報に食い違いが生じ得ないシステムになった。鉄道以外にも、さまざまな生産現場で有効と考えられる。

図1 日立笠戸事業所が導入したARシステム
図1 日立笠戸事業所が導入したARシステム
鉄道車両の床下機器取り付け、台車への機器取り付けのボルト締め作業において、トルク管理に使う。トルクレンチに貼ってある赤い模様は、カメラが認識するためのマーカー。(写真:日立製作所、図:日立製作所の資料を基に日経ものづくりが作成)
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* 日立製作所、YAMAGATA(横浜市)、京都機械工具(KTC)が共同で開発。日立が企画構想、システムフローの検討、評価試験とフィードバックを担当し、YAMAGATAはユーザー・インターフェースの検討とARアプリケーション開発を担当。KTCはデジタルトルクレンチとARアプリケーションの連携を担当した。