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コロナで炎上、それ本当?~計算社会科学でSNSデマを解き明かす! 6/3 18時

 DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む日本企業が、レガシーシステムの壁に直面している。富士通の御魚谷かおるサービステクノロジー本部アプリ技術コンサルティング統括部シニアディレクターは「これまで効率化したいところからシステム化してきたので、縦割りのシステムが乱立してしまった。DXでは、それらシステム間にデータをうまく流していく必要があるので、全体を俯瞰(ふかん)した整理が必要」と課題を指摘する。

 レガシーシステムが保有するアプリやデータを活用できなければDXはおぼつかない。だから、レガシーシステムのモダナイズがDXと一緒に議論されるわけだ。

 ところが、抜本的なレガシー解体やモダナイズは、金も時間もかかるので一筋縄では進められない。そんなユーザーにお勧めなのがレガシーシステムを連携するテクニックの活用だ。「データ連携」「API連携」「クラウド連携」のコツを探っていこう。

ノンプログラミングでデータ連携

 メインフレームやオフコンなどのデータを連携する手法はいくつかある。実績豊富なのがファイル転送(FTP)、データ連携ツール、ストレージやデータベースの複製(レプリケーション)機能などだ。最近ではREST APIを使う事例も増えてきた。

 「日本では(セゾン情報システムズの)HULFT(ハルフト)などのFTPがバッチ系でよく使われている。データの鮮度が1日前でよい、あるいは大量データの転送ならFTPが向く。一方、住所変更などリアルタイムなデータ更新が必要な場合は向かない」。日本IBMの二上哲也執行役員IBMオープン・クラウド・センター長はこう話す。

 データ連携では、入力元から出力先にデータを転送するほか、データのフォーマットを変換したり、クレンジングしたりといった機能が必要だ。そのために、ETL(Extract、Transform、Load)ツールを組み合わせるのが、一般的な手法である。

 こうした機能を一元的に提供したうえで、GUIなどで簡単に連携関係を設定できるのがデータ連携ツールである。

 例えば「FUJITSU Software Linkexpress」は、同社のホスト同士、ホスト-UNIX機、ホスト-IAサーバー間で、ファイル転送やデータのレプリケーションなどが簡単な設定で実行できる。

 セゾン情報システムズの「DataSpider」は、GUIを用いたノンプログラミングな開発環境を備え、データ変換やクレンジングなどもアイコンベースで実装可能。入力元および出力先をつなぐための「アダプタ」は50種類を数え、OracleやSQL Server、PostgreSQLといった主要データベースや各種ファイルフォーマットに簡単にアクセスできる。

データ連携ツール「DataSpider」の構成
データ連携ツール「DataSpider」の構成
(出所:セゾン情報システムズ)
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 「受注ファイルを受け取って製品マスターを照合し、SQL Serverへ格納するような処理をJavaでコーディングしたら1万4000ステップになった。これをDataSpiderで開発したら13個のアイコンをつなぐだけで済んだ」。セゾン情報システムズの細見せいじマーケティング部DataSpiderプロダクトマーケティングマネージャは、その手軽さを説明する。

 DX関連のアプリ開発では、試行錯誤を通じて完成度を高めるケースも多い。入力元データの種類やそれに対する処理、出力先データの形式などを簡単に変えられるツールは、そうした開発スタイルでの利用に向いている。