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接触確認アプリ、本当に使う?~公益のための個人データ活用とは 6/8 18時

 新型コロナウイルスの影響で、自宅にいる時間が長くなった人は多いだろう。本特集では、在宅の時間を生かしてパブリッククラウドサービスを実際に使い、慣れ親しむことを提案したい。主要クラウドは新規ユーザーを取り込むために、手厚い無料試用枠を用意している。無料の範囲内で多様なシステムを作れる。今回から2回にわたってAmazon Web Services(AWS)の無料利用枠を記者が実際に試す。

 本特集の第1回でAmazon Web Services(AWS)の無料枠について解説した。今回は記者が実際に試用して、無料枠でどんなことができるのかを具体的に示す。

 といっても記者はAWSを触ったことがない初心者だ。何しろこの記事のために初めてAWSのアカウントを作成したというレベルである。AWSでシステムの基盤構築をしたりアプリケーション開発をしたりした経験もない。

AWSの「Nyantechハンズオンシリーズ」の一部
AWSの「Nyantechハンズオンシリーズ」の一部
(出所:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
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 初心者でも実装できる題材はないかと思案していると、画像に写った猫を自動判別する人工知能(AI)が頭に浮かんだ。アマゾン ウェブ サービス ジャパンの大久保順コンピュート事業本部長から以前に「AWS初心者向けの題材として面白い」との話を聞いていた。

 AWSのWebサイトにある「【Nyantech ハンズオンシリーズ】機械学習を使って写真に写っている猫を見分けてみよう!」というWebページを読んだところ、手順が書いてあり「これならできそうだ」という気になった。システム基盤やプログラミングの知識は不要だ。

 以下で、このハンズオンシリーズ全3回のうち前編と中編を試す。本記事では細かい手順は省いている。「Nyantech ハンズオンシリーズ」のWebページには細かい手順まで書いてあるので、実際に試す場合は参照してほしい。なお以降では「Nyantech ハンズオンシリーズ」のWebページを「Nyantech手順書」と呼ぶ。

2種類の対象物をAIで自動判別する仕組み

 このハンズオンは、AWSのAI・機械学習関連のサービスを体験するものだ。「タマ」と「ミケ」という2匹の猫の写真を用意する。最初にタマとミケの画像にそれぞれラベルを付けて教師データを作る。この教師データを基に機械学習モデルを生成し、タマとミケの画像に対してどちらが写っているのか自動判別できるようにする。

 具体的にはAWSのAI関連サービス「SageMaker(セージメーカー)」「Rekognition(リコグニション)」を主に使う。

 このハンズオンに挑戦するには、複数の猫の画像が必要になる。しかし記者は猫の画像は持っていない。手元にあるのは、趣味で撮った列車やバスの画像だ。これなら大量に持っている。そこで「タマ」と「ミケ」ではなく、「列車」と「バス」を自動判別するAIを作ることにした。

 Nyantech手順書に従って、まず列車とバスの写真を10枚ずつ用意した。計20枚をパソコンのローカルディスクに作った1つのフォルダーに格納した。

列車とバスの写真を20枚用意した
列車とバスの写真を20枚用意した
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 列車の画像には、ユニークなデザインの観光列車や、バスと見分けにくそうな路面電車をあえて含めた。線路が写っているので人間なら列車だとすぐ分かるが、AIにとってはどうだろうか。

 バスの画像には、列車のように車両を連結している「連接バス」や、展示会場で見かけた未来の電動バスなども混ぜてみた。