テレワークによってスキルアップの時間を確保しやすくなった人は多いだろう。本特集ではパブリッククラウドサービスを実際に使い、慣れ親しむことを提案したい。主要クラウドは新規ユーザーを取り込むために、手厚い無料試用枠を用意している。無料の範囲内でも様々なシステムを構築できる。今回は米Microsoft(マイクロソフト)のMicrosoft Azureを取り上げる。
Azureの無料枠の考え方は、Amazon Web Services(AWS)とは大きく異なる。Azureを使ったインフラ構築の経験が豊富で料金体系にも詳しい、パーソルプロセス&テクノロジーの西日本システムソリューション部クラウドインテグレーショングループに所属する三浦紗友里氏は「Azureで無料枠を使う場合、まず無料枠専用のアカウントを作ることになる。これを使う限り、期限が過ぎたり上限に達したりして勝手に課金されることはない」と説明する。
無料枠専用アカウントを作成可能
Azureで無料枠を使うには、まず無料枠専用の特別なアカウントを作る。決済用クレジットカード番号などの登録は必要だが、勝手に課金されることはない。
AWSの場合は無料枠専用アカウントと有料アカウントの区別がなく、無料枠を超えて使い過ぎるとそのまま課金されるが、Azureではこうした心配はない。AWSのように任意にアラートを設定してそれをチェックする必要もない。使い続けたい場合は無料アカウントから有料アカウントへとアップグレードすることもできる。
Azureの無料サービスは原則として「Azureの無料アカウントを今すぐ作成しましょう」というWebサイトで一覧できる。
これ以外に、Microsoftが主催するイベントでAzureのキャンペーン料金などを発表する場合があるので、注目しておくといいだろう。
3つの無料枠
Azureの無料枠は大きく3つある。もともと常時無料のサービス、12カ月間という期間限定の無料枠、金額ベースの無料利用枠だ。金額ベースの無料利用枠については、無料枠専用アカウントに最初の30日間利用できる「2万2500円のクレジット」が用意されており、この範囲内までなら無料で使える。クレジットを使い切ったらアラートが出る。後で思わぬ金額が請求されることはない。
日本マイクロソフトの佐藤壮一Azureビジネス本部プロダクトマネージャーは「試用で使う範囲ならたいていのことなら無料枠専用アカウントでできる。商用のツールを作ろうとしない限りは無料枠の範囲で十分使えるのではないか」と説明する。