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塩分はさびの発生を促進

 酸素と水分に加えて、さびの発生を促進するものに「塩(塩化ナトリウム)」があります。海に近い場所で金属がさびやすいのは、海水に含まれる塩分が金属に付着しやすいからです。では、なぜ塩はさびの発生を促進するのでしょうか。

 ここでも鍵となるのは「水分」です。塩分は吸湿性が高く、大気中の水分を吸います。金属に塩が付着すると、その塩が水分を吸収し、この水分が金属のさびを進めるのです。

 先述した通り、さびは水に金属のイオンが溶け出すことで発生します。このため、水溶液中でイオンになろうとする性質であるイオン化傾向で「さびやすさ」の順位を付けられます(図5)。例えば、金や白金、銀、水銀はイオン化傾向がとても小さいので空気中で酸化しません。逆にイオン化傾向が大きなナトリウムやカルシウム、カリウムなどはすぐに酸化します。これらの間にある銅、鉛、すず、ニッケル、鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどは徐々に酸化する材料という位置づけになります。

図5 主な金属のイオン化傾向
図5 主な金属のイオン化傾向
イオン化傾向が小さな金や白金などは空気中で酸化されないが、イオン化傾向が大きなナトリウムやカルシウムなどはすぐに酸化される。つまり、イオン化傾向が小さい金属の方がさびにくいと言える。(出所:西村 仁)
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