加熱時の性質と特性で分類
多くの品種があるプラスチックにはさまざまな分類方法があります。ここでは「加熱での性質による分類」と、「特性による分類」で見てみましょう。
前者では、加熱により溶融する「熱可塑性(ねつかそせい)プラスチック」と、逆に加熱すると硬化する「熱硬化性プラスチック」に分かれます(図1)。熱可塑性プラスチックは生産量の約90%と大部分を占め、成形した後に再加熱すると再度軟化・溶融して再利用可能です。残り約10%が熱硬化性プラスチックで、成形時に1回だけ軟らかくなり、成形後は再加熱しても軟化しません。熱に強い代わりに、再利用と廃棄が難しいプラスチックです。
後者の「特性による分類」では、安価で大量生産され生活用品に多く使われる「汎用プラスチック」と、強度や耐熱性を高めた「エンジニアリングプラスチック」に分かれます(図2)。汎用プラスチックは強度や耐熱性などがそれほど必要とされない用途に使われ、生産量トップ3のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(塩ビ)がプラスチック全生産量の約70%を占めます。
一方、ある程度の強度や耐熱性が必要な用途に使うのがエンジニアリングプラス被るチックです。略して「エンプラ」と呼びます。エンプラの基準の目安は「引張強さが49N/mm2(MPa)以上で耐熱温度が100℃以上」です。
これらの2つの基準で、主なプラスチックを分類すると図3のようになります。