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∅とキリの違い

 ドリルであけた「きり穴」は、図面ではカタカナで「キリ」と指示します。例えば、ドリル径5mmのきり穴は「5キリ」となります。

 ここで「∅5」と「5キリ」の違いを確認しておきましょう。「∅5」は加工方法や加工工具は加工者に一任して、加工後の穴の直径(穴径)を5mmにする、という意味です。それに対して「5キリ」は、直径5.0mmのドリルで穴をあけるという指示です。すなわち5mmは穴径ではなくドリル径を意味します。加工した穴径は、材質や部材の厚みによって異なりますが、ドリル径より0.1mm前後大きくあきます。

 きり穴で指示する意図は、穴をあける加工法の中でドリルでの穴あけが最も安価に加工できるからです。そのかわりに穴径の精度は保証されません。

 加工寸法が多少ばらついても、ねじ穴では問題になりません。通常、ねじ(ボルト)を貫通させる穴はねじ径に対して1mm大きくあけます。M6ねじであれば直径7mmの穴になります。この7mm穴が0.1mmや0.2mm大きくなっても何ら問題はありません。

 以上の理由から、ねじ穴は「キリ」で指示する一方、正確な精度をもって穴をあけたい場合には、「∅」記号を使います。