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ボール盤での穴あけ作業

 ドリルは主にボール盤で使用します。ボール盤には卓上ボール盤とラジアルボール盤があり、現場でよく目にするのは卓上ボール盤です(図2)。スイッチを「ON」にするとモーターが回転し、その回転をプーリーとベルトを介して主軸に伝えます。プーリーは多段なのでベルトを手で掛け変えることで回転数を調整します。ハンドルを手で回すとドリルが上下しますので、その操作でテーブルに固定した工作物に穴をあけます。

図2 卓上ボール盤
図2 卓上ボール盤
ドリルが付いた主軸をハンドル操作で上下させ、テーブルに固定した工作物に穴をあける。(出所:西村仁)
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 卓上ボール盤で使用できるドリル径は最大13mmまでが一般的です。「きり穴は13キリまで」といわれているのは、これが根拠です。直径13mmを超える場合にはラジアルボール盤での加工になります*2

*2 ラジアルボール盤 主軸を前後左右に動かす機能を持ったボール盤。

 ドリルで穴あけをする前に、ドリルの先端を誘導するための小穴(くぼみ)を設けておく必要があります。これがなければドリル先端が工作物に接触した瞬間にぶれてしまい、正確な位置に加工ができません。そこで、穴あけする位置に、けがき針で十字に軽くキズをつけて線を引きます。その交点にポンチでくぼみをつけます。ポンチは先端が尖ったペン形状の工具で、所定位置にあてて軽くハンマーで叩きます。

 ドリル穴の位置精度は、けがき位置のバラツキ、ポンチ位置のバラツキ、ドリル位置のバラツキが重なり、おおよそ±0.3mm前後が目安になります。ドリルであけた穴径の精度は前述したように、ドリル径+0.1mmが目安です。

 穴径に高い精度が必要な場合には、リーマと呼ばれる工具を用います(図3)。ドリルと異なり、側面が切れ刃になっています。ドリルであけた穴(下穴)をリーマで仕上げます。穴と軸のはめあいによく使われるH7公差の穴はリーマで加工しています。H7公差ははめあい公差といい、1000分の1mm単位の高精度なレベルです。

図3 高精度な穴加工に使うリーマ
図3 高精度な穴加工に使うリーマ
ドリルであけた下穴を仕上げる。ドリルと異なり、切れ刃は先端にはなく側面にある。(出所:西村仁)
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