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座ぐり穴と深座ぐり穴

 座ぐり加工はドリルで穴あけしたあとに、その一部をより大きな直径で加工することです。深さの違いにより「座ぐり穴」と「深座ぐり穴」があります。

 前者の座ぐり穴の狙いは、荒れた表面をなめらかにするためで、深さは0.5〜1mmが目安です(図4)。例えば、鋳物の表面はザラザラに荒れているため、この面でねじ固定するとねじ(ボルト)が緩む原因になります。そのために座ぐり加工により、鋳肌を削って平滑な面を出します。

図4 座ぐり穴
図4 座ぐり穴
表面が粗いと、ねじで締結しても緩みやすいため、穴の周囲に平滑な面を得る。(出所:西村仁)
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 後者の深座ぐり穴は、ねじ固定した際に六角穴付きボルトのねじ頭を隠すための加工です(図5)。多くのねじ種類の中でも六角穴付きボルトは締結力が高いので、機械部品の固定に汎用的に使われます。一方、ねじ頭に六角レンチを差し込むための六角穴が必要なのでねじ頭が大きいことが弱点で、固定後にねじ頭が大きく飛び出します。

図5 深座ぐり穴
図5 深座ぐり穴
六角穴付きボルトの頭が完全に隠れるようにする。(出所:西村仁)
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 そこで深座ぐり穴の加工により、ねじ頭が深座ぐり穴に沈みこんで飛び出しを無くせます。したがって深座ぐり穴の大きさは、六角穴付きボルトのねじ頭の直径と高さよりも少し大きめに設定にします。これらの座ぐり加工には、専用の座ぐりドリルを用いる方法の他、前回解説したエンドミルを使用する方法もあります。