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円筒研削盤と心なし研削盤

 丸形状の外周面を研削する場合には、円筒研削盤を用います。工作物の左側をチャッキングして、右端面を心(しん)押しセンターで支えて、回転する工作物に砥石を接触させて加工します(図4)。基本構造は旋盤と似ています。

図4 円筒研削の種類
図4 円筒研削の種類
円筒研削盤では旋盤に近い機構でワークの中心軸を支持して回転させ、砥石も回転させながら当てる。軸を支持できない細いピンやパイプの外面は心なし研削盤で研削する。(出所:西村仁)
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 円筒研削盤の1種である心なし研削盤は、細いピンやパイプの外面を研削するのに適しています。工作物を固定せず、重力で砥石に接触させて加工します。作業性に優れ、細長い形状の加工が容易であり、工作物にセンター穴をあける必要がないなどの特徴があります。

砥石の構造と切れ刃の自生作用

 砥石についても簡単に説明しておきましょう。砥石は「砥粒」「結合剤」「気孔」で構成されています。鋭い角が切れ刃になる砥粒を結合剤で保持しており、砥粒と結合剤の間にあるすき間が気孔です。この気孔は切りくずの排出を助けると同時に、加工で生じる熱を放出する役割を果たします。切れ刃となる砥粒の材質は、主に酸化アルミニウム(アルミナ)や炭化ケイ素が使われています。アルミナは硬度や耐熱性に優れた材料です。

 砥石には「切れ刃の自生作用」と呼ばれる現象があるのも特徴です。バイトやエンドミルでは切れ刃が摩耗すると切削できなくなります。しかし、砥石の場合は摩耗して削りにくくなると、砥粒が自然に脱落して内側の砥粒が現れて、新しい切れ刃で加工できるのです。