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 前号に引き続き「成形加工」について見ていきましょう。成形加工の最大の特徴は「型」を使うことにより一発で形状を造れる点です。型を製作するための手間と費用が掛かるので初期投資が大きい半面、生産性が高いので大量生産に向いています。

 前号では成形加工の1つである板金加工(プレス加工)を説明しました。今回は、1)溶けた金属を型に流し込む「鋳造」、2)溶けたプラスチックを金型に流し込む「射出成形」、3)強い力で材料に金型を押し付けて変形させる「鍛造」、4)回転するロールにはさみ込んで形を造る「圧延」、5)金型の穴へ押したり引いたりする「押出し加工」と「引抜き加工」について紹介します。

材料を溶かして型に流し込む加工法

 前回まで紹介してきた切削加工や板金加工は、材料を固体のまま加工します。これらに対して「鋳造」と「射出成形」は、材料を溶かして液状にしてから欲しい形状の空洞をもった型に流し込み、冷やして固めると完成です。複雑な形状を一気に形にできる点と、材料にほとんど無駄がなく、加工の効率が良いのが大きな特徴です。

 身近に見られるマンホールの蓋は鋳造で造っています(これを鋳物と呼びます)。マンホールの蓋の表面には、ご当地の風景や特産品などの事物が模様としてあしらわれているケースがあります。このような模様を切削加工で造るのは手間がかかりますが、鋳造ならお手のものです。一方、切削加工に比べて、表面粗さは粗く、寸法精度も劣るため、機械部品などで表面のなめらかさや寸法精度が必要な場合には、鋳造後に切削加工で仕上げます。