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 今回は第14回から始めた加工編の最終回になります。前半では加工方法の解説として最後となる「表面処理」を取り上げます。後半では加工方法そのものではありませんが、加工をする上で知っておきたい「材料取り」と「バリ取り」について紹介します。

 前回は加工方法の大分類の5つ目「形を変えずに材料の性質を変える加工」として「熱処理」を紹介しました。熱処理が材料の温度を上下させて材料そのものの性質を変える加工であるのに対して、表面処理は主として材料の表面に皮膜を設け、新たな性質を与える加工です。表面処理にもさまざまな種類がありますが、今回は「めっき」や「化成処理」など、金属の皮膜を形成する方法を中心に解説します。

鉄鋼材料のさびを防ぐ

 金属に対する表面処理の目的として多いのが、鉄鋼材料に対するさびの発生防止〔防錆(ぼうせい)〕です。例えば「黒染め」や「クロメート処理」、「ニッケルめっき」などがあります(図1)。

図1 ねじへの表面処理
図1 ねじへの表面処理
(a)が黒染め(黒色酸化皮膜)、(b)がクロメート処理(ユニクロ)、(c)が無電解ニッケルめっき。(出所:日経ものづくり)
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黒染め 化学反応(化成処理)によって良質の黒さびの皮膜を形成します。膜厚は1μmと薄いので高精度部品に適しています。処理液は通信販売で安価に購入できます。(本コラムの第5回参照

クロメート処理 亜鉛めっきした後、化学反応でクロムを含む酸化皮膜を形成します。膜厚指定ができないため高精度部品には適しませんが、普通公差のレベルでは問題になりませんので、広く採用されています。有色クロメート、光沢クロメート(ユニクロ)、黒クロメートがあります。EU(欧州連合)による有害物質の使用制限(RoHS)で六価クロムが規制物質に指定されたこともあり、三価クロム化成処理へ移行しています。

無電解ニッケルめっき ニッケル皮膜の膜厚を指定できるので高精度部品にも適します。黒染め処理よりも耐久性に優れます。