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外形線とかくれ線

 こうして形状を読み手へと正確に伝えられるわけですが、これでも全ての面を表してはいません。では、どうするのか。その方法も図面の描き方で決まっています。

 次に進む前に、図面を描くのに使う線の種類を紹介します。線にはいろいろな種類がありますが、ここでは「外形線(実線)」と「かくれ線(破線)」を紹介します(表1)。

表1 外形線とかくれ線の用途
(出所:西村仁)
表1 外形線とかくれ線の用途
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 外形線は連続線です。直接目で見える部分を描く際に使用します。直線もあれば曲線もあり、最も基本となる線です(表2)。

表2 外形線とかくれ線の違い
(出所:西村仁)
表2 外形線とかくれ線の違い
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 一方、かくれ線は短い線をわずかな間隔で並べた線です。直接は見えない隠れた部分を描く際に使います。ものがガラスのように透明だとしたら透き通って見える向こう側の辺(稜線)のことです。このかくれ線を用いることで伝える情報を多くできるので、設計者はかくれ線を使いこなす必要があるのです。

 図2の形状では、真後ろ方向から見た図と左側面方向から見た図と真下方向から見た図を描く場合に、外形線とかくれ線を併用します。例えば、真後ろ方向から見た図では斜めの面と垂直面の境界線は直接見えないので、かくれ線で表します(図5)。

図5 外形線とかくれ線の併用
図5 外形線とかくれ線の併用
直接見えない線はかくれ線で描く。(出所:西村仁)
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 次回は第三角法の詳細を、事例を用いながら紹介します。