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全断面図と片側断面図

 図2左側の立体図は、図1の形状を中心で切断したものです。この状態で正面から見ると、外形に加えて内部の穴形状も全てくっきり見えるので、実線で描きます。これが図2右側の図になります。切断面が図の全体を占めているので全断面図といいます。この形状の場合は、正面方向からの全断面図に右側面図を組み合わせた二面図で表せば形状がよく分かります。

図2 全断面図を用いた図示方法
図2 全断面図を用いた図示方法
中心で切ったと考え、断面における穴の形状(穴の縁)を実線で描く。(出所:西村仁)
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 これに対して図3では立体図の下半分だけを切断しているので、片側断面図といいます。この図の特徴は外形と内部の形状を1つの図で表示できることです。この例では、上半分が外形を、下半分が内部を表しており、両方が分かって便利です*2。図3では右側面図を省略しましたが、図2同様に組み合わせて二面図で表します。

図3 片側断面図を用いた図示方法(図1と同じ形状)
図3 片側断面図を用いた図示方法(図1と同じ形状)
上半分が外形を、下半分が内部形状を表す。(出所:西村仁)
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*2 切り口の形状を示すために、図2の左や図3の左の立体図のように斜め45度方向の斜線群(ハッチングと呼ぶ)を入れる場合がある。同様のハッチングを断面図に入れることもある。

 ただし片側断面図は、全断面図よりも作図に手間がかかります。外形と内部形状の両方を強調する必要がなければ、通常は全断面図で描きます。

 補足ですが、片側断面図の場合、外形を表す側(図3の例では上半分)に穴のかくれ線は描きません。片側断面図は中心線について対称な形状に用いるため、下半分の断面図で穴形状を表しているので、上半分にかくれ線を描く意味が全くないからです。