前回まで図面を見て立体をイメージする手順を解説してきました。今回からは物体の大きさや表面状態といった情報を図面から読み取る方法を紹介します。まずは、図面の種類の違いとその役割、図面用紙と表題欄・尺度・改訂欄などの構成要素についてお話しします。
部品の情報を表す部品図
役割から見て、図面は部品図と組立図に分かれます。また部品表と呼ばれる一覧表もセットで運用されます(図1)。
部品図は製品や、製品を造る生産設備を構成する各部品の情報を表した図面です。通常は部品1点につき部品図は1枚描かれます。1枚の図面に複数の部品を描くと、図面サイズが大きくなり読みにくい上に、加工時に読み間違いを起こすリスクが高まります。また図面を流用しにくいという弱点が生じます。
類似した製品で、同じ部品を使う場合がよくあります。このときには新たに図面を描く必要はなく、最初に描いた図面をそのまま用います。これを図面の流用といいます。部品1点につき1枚の部品図はこの流用に適しています。