全3259文字
PR

QC7つ道具とパレート図

 品質管理といえばQC7つ道具をイメージするほど、知名度は高いと思います。しかし、なかなか使いこなせていないかもしれません。

 7つ道具の特徴をそれぞれひと言で表すと、

  • 1)チェックシート:データの記録用紙
  • 2)パレート図:優先度づけに使用
  • 3)特性要因図:原因分析に使用
  • 4)グラフ:データの大きさと変化をつかむ
  • 5)散布図:2つのデータの関係性をつかむ
  • 6)ヒストグラム:ずれとばらつきをつかむ
  • 7)層別:データを分ける

 以上のように7つの手法がありますが、7つ全てを用いる必要はありません。臨機応変に適した道具を生かします。

 今回はパレート図を紹介します。筆者は7つ道具の中でも一番使い勝手が良く有効な手法と思っています。限られたマンパワーで効率的に成果を出さなければならない場合などに、このパレート図は改善取り組みの優先度を決める上でとても便利な手法です。データの数を棒グラフで表し、構成比率を折れ線グラフで表します。何がどれくらいの比率を占めているのかがひと目で分かるのが特徴です。

 品質管理におけるパレート図は、発生した不良の個数をデータとします。記録期間は不良の発生状況にもよりますが、1日や1週間を単位にします。例えば、ある工程での1週間の不良個数をパレート図にまとめたものが図3です。これを見れば「印字不良」が不良のトップで、全体の半分を占めることが分かります。2番手の「汚れ」を加えると全体の70%です。

図3 パレート図の一例
図3 パレート図の一例
ある工程での1週間の不良個数をまとめたもの。この例は個数を単位として作成しているが、不良の損失コストを単位にするのも効果的。(出所:西村 仁)
[画像のクリックで拡大表示]

 これにより、改善の取り組みにおいて「印字不良」を優先するのが効果的であると分かります。印字不良を30%削減できれば、不良全体の15%を削減できることになります。もし発生率の低い4番手の「表裏逆転」を同じく30%削減できても、不良全体に占める削減率は2%弱にすぎません。

 このように不良のトップに集中して改善を進めると、件数が減って2番手の「汚れ」に近づいていきます。そうしたら、今度は「汚れ」の改善に取り組みます。

 なお図3の例では、個数を単位としてパレート図を作成しています。原価管理により不良の損失コストが明らかなのであれば、損失コストを単位に作成し、損失の大きな不良から改善を進めるのがよいでしょう。

 パレート図は品質改善だけでなく、コストダウンを図りたい場合や、生産期間を短縮したい場合にも役立ちます。何にコストを要しているのか、どの工程で時間を要しているのか、といった現状を明確に示してくれます。

 手軽に作成できるのも便利なところです。不良個数や生産期間といった生データ(数値)をExcelシートに入力し、累積比率を自動計算の設定にすれば、棒グラフと折れ線が自動で表示され、パレート図が簡単に出来てきます。

 次回も引き続き、定番手法を生かすコツを紹介します。