新型コロナウイルスの感染拡⼤によって、企業は研究開発や事業開発の方針を大きく変更せざるを得なくなった。中でも、⼈を集めたり、移動させたりする事業はその前提が大きく覆された。代わりに不可⽋になったのが、人の接触をなるべく避ける「コンタクトレス(⾮接触)化」である。シリコンバレーをはじめとする米国では、スタートアップなどがテクノロジーでコンタクトレス化する新たなソリューションの提供を競う。本連載ではその最新動向を紹介する。

米国発、新型コロナ時代のテクノロジー
~非接触に向けた開発が急拡大~
目次
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体温計クラウドでコロナ感染拡大を察知、ロボやARを駆使し医療崩壊防ぐ
新型コロナウイルス感染の危険に身をさらしながらも、懸命に働いているのが最前線にいる医療従事者である。その支援のために、人となるべく接することなく診断できる機器やサービスが米国の医療施設で急速に普及している。そのための武器となるのが、ロボットやAR(拡張現実)だ。さらに、医療施設に行かなくても自宅で…
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深紫外線が家電やクルマの売り上げ増の武器に、光源メーカーは高出力・安全にアクセル
新型コロナウイルスの感染拡大の切り札として注目を集める深紫外線による不活化・殺菌技術。病院や空港、交通機関、小売店など、不特定多数の人が訪れる場所で広がりを見せている。一方、家電や自動車といったコンシューマー分野でも注目を浴びている。
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アマゾンも注目する深紫外線殺菌、公共空間やシェアカーに広がる
新型コロナウイルスや将来やってくるであろう新たな感染症の拡大防止に向けて、テクノロジーを総動員して、「コンタクトレス(非接触)社会」に移行しつつある米国。それでもすべてを非接触化することはできない。そこで今、米国で注目を集めているのが、⼈が⼿や靴で触れる部分を殺菌・消毒する技術だ。中でも、「深紫外…
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進化を続ける「Amazon Go」、他社への技術供与も始まる
ピッキング作業も自動化可能に
米ウォルマート(Walmart)が米アマゾン(Amazon.com)対抗で、自動化や非接触化を駆使したeコマースに注力する一方で、アマゾンは近年、高級食品スーパーの「Whole Foods Market」を買収するなど、店頭販売にも力を入れている。中でも、直営小売店「Amazon Go」が、テクノ…
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ウォルマートがアマゾンを迎撃、AI・ロボットを駆使して店舗を自動化
新型コロナウイルスの感染拡大の抑止に向けて、シリコンバレーを始め、米国のほとんどの地域で、何らかの外出制限が課せられている。それでも生活必需品である食料の買い出しは許可され、多くの人が小売店に向かう。そこで、小売店(リテール)業界最大手の米ウォルマート(Walmart)は、顧客や従業員を新型コロナウ…
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非接触で空から配達、気鋭の新興企業やグーグル系企業が実用
新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限措置により、食料品や医薬品などの配送に対する需要が急激に高まった。その結果、米国では自動運転車による「コンタクトレス」配送サービスが本格化してきた。その動きは、空にも及ぶ。無人の航空機(ドローン)で荷物を運ぶ動きも活発化し始めているのだ。商品を注文すれば、…
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玄関口までロボットが配送、シリコンバレーでは現実に
人との接触を避ける「コンタクトレス」配送や省人化に向けて、サンフランシスコやシリコンバレーに拠点を持つスタートアップが、自動運転による配送サービスの社会実装を進めている。当初は人件費の削減が大きな目的だったが、コロナ禍とそれに伴う外出制限による食料品や医薬品などの配送需要が急激に高まり、実用化が加速…