全1070文字
PR

鳥取県が県道沿いに整備した高エネルギー吸収落石防護柵が、所定の高さを満たしていなかった。ミスを犯したのは県の職員。なぜ、このような事態になった?

 鳥取県が県道沿いの91mにわたって整備した落石防護柵が、所定の高さを満たしていなかった。県の職員が自らミスを犯した。会計検査院が2019年11月に公表した18年度の「決算検査報告」で明らかになった。

 落石防護柵は県道横田伯南線の防災対策の一環として、県が15年度から16年度にかけて整備した。「高エネルギー吸収落石防護柵」と呼ぶタイプで、県道沿いの法尻に約10m間隔で設けた支柱を介してワイヤロープや金網を張り、落石を捕捉する。

鳥取県が県道沿いに整備した高エネルギー吸収落石防護柵(写真:鳥取県)
鳥取県が県道沿いに整備した高エネルギー吸収落石防護柵(写真:鳥取県)
[画像のクリックで拡大表示]

 会計検査院が指摘したのは落石防護柵の高さだ。落石防護柵は、日本道路協会がまとめた「落石対策便覧」や「道路土工 切土工・斜面安定工指針」などに基づいて設計する。

 これらの基準では、落石防護柵の高さは以下の2つの要素を踏まえて設定するよう定めている。

 1つは落石の跳躍高(斜面で跳ね上がる高さ)だ。一般的に落石の跳躍高は「斜面から直角方向に測った高さが2m以下」といわれる。そこで、標準的な設計では、斜面から直角方向に測った高さが2mとなるように最低柵高(最低限必要な防護柵の高さ)を設定する。

 もう1つは余裕高だ。基準では、落石が防護柵の天端などに当たって柵を越えてしまうリスクを考慮して、最低柵高に余裕高を加えることを推奨している。

 県は15年度以前に設計業務を委託し、建設コンサルタント会社から成果品を受け取った。この時点で設計に問題はなかった。