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 ビデオ会議や画面共有などの機能を備えるWeb会議ツールはテレワークでの協調作業に不可欠だ。ビジネス利用に向く主要なWeb会議ツールを取り上げ、特徴的な機能や便利な使い方を紹介する。今回は米ズームビデオコミュニケーションズ(Zoom Video Communications)の「Zoom」を取り上げる。

 数あるWeb会議ツールの中でも勢いのあるのが「Zoom」だ。開発した米ズームビデオコミュニケーションズは2020年2~4月期決算で売上高が前年同期比169%増と急伸した。

 コロナ禍によるWeb会議ツールの爆発的な需要増を受けて、今やWeb会議の代名詞的な存在になっている。企業が業務で利用するのに加え、多くの学校がオンライン授業のツールとして利用している。

 Zoomには無料版と有料版がある。無料版は3人以上が参加する会議の時間が40分以内に制限される。企業利用では有料版を契約するのがいいだろう。

 料金は「ホスト」という単位で決まる。ホストは簡単に言うと、同時にいくつのWeb会議を開催できるかを表す。ホストが1つなら同時に開催できるWeb会議は1つだ。2つのホストを購入すれば、同時に2つまでのWeb会議を開催できる。

Zoomの料金体系
プラン基本プロ
(小規模チーム向け)
ビジネス
(中小企業向け)
企業
(大企業向け)
価格(税別)無料ホスト当たり月額2000円ホスト当たり月額2700円
ホスト10台から
ホスト当たり月額2700円
ホスト100台から
会議参加者100人まで100人まで300人まで500人まで
会議時間40分まで
(1対1は無制限)
24時間まで24時間まで24時間まで
付加機能ユーザー管理など管理用ダッシュボード、
シングルサインオンなど
無制限のクラウドデータ保存など
(出所:米ズームビデオコミュニケーションズの資料を基に日経クロステック作成)

 無料版・有料版共に基本機能は同じだ。参加者が会議に入る前に待機できる「待機室」、スライドや写真などを見せるための「画面共有」、参加者から発声している人を自動検知してその人の映像を強調表示する「アクティブスピーカー」、参加者が発言の意思表示をするための「挙手」、参加者をチーム分けして議論するための「ブレイクアウトルーム」、参加者映像の背景をカスタマイズする「バーチャル背景」、テキストチャット、会議内容の録画・録音などの機能を備える。

「つながりやすさ」の理由

 ただしこれらの機能は他社のWeb会議ツールも備えているケースが多い。Zoomだけが多機能とはいえない。ではWeb会議ツールの中でZoomが急伸したのはなぜか。

ZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー
ZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー
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 ズームビデオコミュニケーションズの日本法人ZVC Japanの佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー(GM)が特徴の1つとして強調するのは「多人数でも安定してつながりやすい」という点だ。Zoomがつながりやすいのには理由があるという。それは端末側のコンピューターリソースを活用し、サーバーの負荷を抑えている点にある。

 Web会議ツールは一般にクラウドサービスとして提供される。ユーザーはWebブラウザーやクライアントアプリケーション、またはスマートフォンアプリで、Web会議ツールベンダーのクラウド上のサーバーにアクセスし利用する。これはZoomをはじめ大半のWeb会議ツールに共通する仕組みだ。

 異なるのは、映像や音声の圧縮・復元という負荷の大きな処理をどこで行うかである。Zoomは主に端末でこの処理をするという。近年、端末の処理能力が飛躍的に高まっており、これを有効活用する。

 端末の処理能力を生かすこのアーキテクチャーは多人数のWeb会議で効果を発揮する。「人数が増えてもサーバーの負荷増大を抑えられるので動作が安定する」(佐賀カントリーGM)。