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 DXを推進する企業が増えるにつれ、デジタル技術を活用した新しいビジネスやサービスの開発が活発化している。それに伴い、デジタル市場とユーザーの変化の速さについていくため、ビジネス上の判断に役立つ全社的なデータ活用と分析のニーズがより一層高まっている。

 データ活用が注目を集める背景には、パソコンだけでなく、他の端末から多様な情報を集められるようになってきたこともある。例えばセンサーを活用して、いろいろな場所にあるモノからデータを取得するコンセプトにIoT(Internet of Things)がある。IoTを本格導入すると、工場などの生産現場からバックオフィス、販売店、製品が置かれた街頭まで、企業を取り巻くあらゆるシーンで情報収集が可能になる。

 さらに、機械学習などAI(人工知能)分野の技術の成熟と普及によって、収集した大量のデータを処理しやすくなってきた。これまでは難しかった膨大なデータの分析に基づく精度の高い予測を、ビジネスに役立てられるとの期待が広がっている。

DX時代に必要なデータ活用基盤

 こうしたデータ分析を高度化するプラットフォームとして、必要性が高まりつつあるのが「データ活用基盤」だ。データ活用基盤は、企業のさまざまなシステムからデータを収集・蓄積し、分析しやすい形にして保存する基盤のことである。

 以前から全社的に共通のデータ活用基盤を整備し、データ活用に積極的に取り組んできた企業も少なくない。しかし、昔から存在するデータ活用基盤を使い続けていると、「どんどん増えるデータを適切に管理できない」「各所に分散したデータの統合に困る」など、対応しきれない問題が持ち上がるケースがある。

 また近年のデータ活用においては、ビジネスを取り巻く変化の状況に応じて、必要とされるデータソースやデータの種類、分析手法などが頻繁に変わる。つまりDX時代のデータ活用基盤には、従来に比べてニーズの変化に柔軟に対応できるような機能が求められるのだ。そこで今回は現在の企業のデータ活用現場でよく見られる課題を踏まえ、DXに向けてデータ活用基盤を整備する際に重視すべき機能、プロセス、組織を解説する。

「目的が不明」「あっても使われない」、既存の課題を整理

 まずは企業が陥りやすい「データ分析のよくある課題」を「ビジネス」「データ」「プラットフォーム」という3つの観点から整理しよう。下図の通り、課題は大きく6つある。それぞれを順に見ていこう。

データ活用基盤のよくある課題
データ活用基盤のよくある課題
(図は筆者作成、以下同様)
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