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 「商品が思うように売れない!」――よくあるシーンです。売れない理由を分析するために情報収集をする必要がありますが、どのように進めたらよいでしょうか。

 「とりあえず、顧客インタビューをしよう」「Webアンケートをしよう」などさまざまな意見が飛び交いますが、よく考えずに調査に着手するのは避けるべきです。

 まずは、売り上げ不振の要因が何か当たりをつけましょう。前回も紹介した「仮説」を用います。売れない理由のうち可能性が高いものを絞り込んでから、実際にデータを用いて分析作業をし、当たりをつけた内容が正しいかどうかの確認・裏付けを行います。最後に、なぜ不振原因が発生してしまっているのかをさらに深掘りして調べます。

 この流れを整理して書くと大きく3つのステップに分けられます。

ステップ1:当たりをつける(仮説を立てる)

 何が売り上げ不振の要因なのか、当たりをつけます。当たりをつけるための方法の例として、次のようなものがあります。

  • 営業担当へのヒアリング
     顧客の反応はどうか、顧客層や顧客の購買行動に変化がないかを教えてもらう
  • 業界の専門家へのヒアリング
     業界のトレンドとして何が流行しているのか、業績が伸びている競合企業は何に取り組んでいるのか、業績が落ち込んでいる競合企業は何が要因なのか、業界の専門家の目線から自社はどう見えているのかを教えてもらう
  • 自社の顧客や競合の顧客へのインタビュー
     「自社商品を購入し続けてくれているユーザー」「自社商品の購入をやめ他社に乗り換えたユーザー」などに商品についての考えを教えてもらう(このステップでは、インタビューしやすい顧客への簡易的なインタビューで構わない)

ステップ2:データ分析で仮説を検証する

 ステップ1で当たりをつけたのが本当に不振の要因なのか、どの要因がどの程度の影響の大きさなのかを、データを用いて分析します。集計する対象データは、例えば次のようなものです。

  • 自社の商品販売データ・顧客データ
     自社で所有しているデータの分析です。どのような顧客が、どの程度製品を購入しているのかを分析します。例えば、性別・年齢帯別、地域別、店舗別、季節別に自社の商品がどの程度購入されているのか、過去と現在で比較します。
  • Webアンケートデータの分析
     自社では保有していないデータを収集し分析します。市場全体でどのような変化が起こっているのか、競合商品を購入している顧客にはどのような特性(性別・年齢帯別、地域別、店舗別など)があるのかといった分析に役立つデータは、自社では保有していません。そのため、アンケート会社など外部の調査機関が提供するツールやサービスを用いて、Webアンケートなどを実施します。こうして新しい情報を取得し、分析を行います。