会議につきものなのが議事録。業務が忙しい中で、議事録作成に多くの時間を取られているエンジニアは少なくないでしょう。
新しくシステム開発プロジェクトへの参加が決まったITエンジニアの安藤さんは、プロジェクトリーダーからキックオフミーティングの議事録作成を依頼されました。安藤さんはじっくり推敲(すいこう)を重ねた上で、ミーティングの3日後に議事録を提出しました。しかしプロジェクトリーダーからは駄目出しをされてしまいました。
よくある光景です。せっかく時間をかけて丁寧に作った安藤さんの議事録は、何がいけなかったのか。それは議事録に求められる重要な要件、「スピード」が満たされていなかったからです。
品質よりもスピード優先
筆者が議事録を作成する際に最も重視するのは、議事録の鮮度です。ビジネスにおける議事録の重要な役割の1つは、ミーティングで決まったことが何かを明らかにして、関係者が共通認識を持つことです。中でもネクストアクション、つまりToDo(次にすべきこと)をはっきりさせることで、次の行動を素早く取れるようになります。
すなわち、議事録を早く完成させて配布しなければネクストアクションを皆で共有するタイミングが遅くなります。メンバーに迷惑がかかり、作業の進捗にも悪影響を与えます。
議事録作成に不慣れな人は、議事録の品質を高めるために時間を費やしてしまいがちです。しかし、議事録とは既に発生した過去の出来事を記載するものです。いくら時間をかけて作成しても、内容を良くするには限界があります。議事録は他の仕事とは異なり、時間をかけても、品質が大幅に向上したり得られる情報やメリットが大きくなったりすることはありません。すなわち、議事録を作成することにそれほど時間をかける必要はないのです。
議事録の3つのタイプを意識する
議事録の作成スピードを高めるには、どのタイプの議事録を作成するか、ミーティングが始まる前に上司と確認しておくことをお勧めします。ここでは典型的な3つの議事録のタイプを紹介します。