開発中の技術を社内の他部署に説明する、商談に同行して顧客向けに技術説明をするなど、エンジニアにもプレゼンの機会は多々あります。気合を入れてスライドを作り込んだのに、相手に思うように伝わらなかったという経験はないでしょうか。
あるメーカーで新商品の開発を担う市原さん。新商品の企画案を経営陣の前でプレゼンする機会を得ました。張り切ってスライドの作成を進め、伝えたいことをたくさん資料に盛り込みました。力作のスライドを基にプレゼンをしましたが、聞き手からは次のような苦言が出てしまいました。
- 資料の枚数が多すぎて、聞いていて全体像が見えない
- どう結論につながるのか分からない説明が多く、イライラする
- 聞いていて迷子になる。各スライドの内容のつながりが見えない
こうしたスライドを、短時間で分かりやすく構成し直すにはどうしたらよいか。今回はそのテクニックを紹介しましょう。
冒頭にエグゼクティブサマリーを追加する
スライドの枚数が多くなってしまったときは、プレゼンの冒頭にサマリー(まとめや結論)のスライドを入れるとよいでしょう。このサマリーを「エグゼクティブサマリー」などと呼びます。
エグゼクティブサマリーでは、プレゼンの内容をテーマや目次などで項目分けし、項目ごとにサマリーを記載するとよいでしょう(下図)。
各項目には番号を付けるとよいでしょう。ここでは、「①市場」「②競合」「③商品スペック」「④収益計画」と4項目に分け、番号を付与しています。
後に続く本編スライドの右上には、対応する番号を記載します。これによってどのスライドがどの項目に該当するのか明確になり、全体のプレゼンの中で今何を話しているのか、何をメッセージとして伝えたいのかを聞き手が把握できます。