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 説明したいことが多すぎて、プレゼン資料にたくさんの文字を詰め込んでしまう人がいます。プレゼンを聞く側にとって読みにくいだけでなく、プレゼンする本人にも話しにくいものになりがちです。

 今回は、文字が多く説明しにくいプレゼン資料を、手間をかけずに修正するテクニックをご紹介しましょう。

 あるIT企業でプロジェクトリーダーを務める市川さん。社内の上層部向けに、新たに始めるプロジェクトについてプレゼンをすることになりました。詳細に説明しようとするあまり、出来上がったのは文字が多いプレゼン資料でした。

市川さんが作成した文字だらけのプレゼン資料
市川さんが作成した文字だらけのプレゼン資料
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 これを使ってプレゼンしたのですが、どうも話しにくい感じがします。資料に記載した文字をそのまま読み上げ、説明も長くなってしまいました。プレゼンを聞いていた人たちの表情を見ても、要点をつかむのに苦労している様子です。

 スライドには「現状と本プロジェクトの目的」が書かれていますが、文字が多いために「現状」「本プロジェクトの目的」がそれぞれどこにあるかが一目で分かりません。プレゼン時の説明も、ダラダラと文章を読み上げているように聞こえてしまいました。

文章を変えずに修正できる

 内容を変えずに改善した資料を見てみましょう。文章の内容はほとんど変えていませんが、「現状」と「本プロジェクトの目的」をそれぞれ1つのブロックとして捉え、上下に分けて配置しています。このように内容のまとまりごとにブロックを作って資料の流れを作る方法を、筆者は「ブロック思考」と呼んでいます。

修正後の資料。「ブロック思考」で流れを作ることを意識した
修正後の資料。「ブロック思考」で流れを作ることを意識した
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 「現状」「本プロジェクトの目的」を別々のブロックとして記載しておくことで、資料のどこに何が書かれているかが分かりやすくなります。さらにこれを基に話すことで、自然にメリハリのきいたプレゼンになります。

 スライドの中央には矢印(▼)を付けました。「現状」があったから「本プロジェクトの目的」が生み出されたという印象を聞き手に与えることができます。因果関係を矢印(▼)で示すことで、説明に“流れ”を作り出せるのです。

横方向(①)と縦方向(②)のそれぞれで、矢印(▼)を使って流れを表現した例
横方向(①)と縦方向(②)のそれぞれで、矢印(▼)を使って流れを表現した例
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