「ビジネスでは結論を最初に話すべし」とよくいわれますが、結論から説明することが常に効果的とは限りません。プレゼンが上手な人は、結論を最初に話すか最後に話すか、シーンによって使い分けています。
コンサルタントが経営陣に対してプレゼンするシーンでは、結論は最後に話します。一方で、日々の業務の報連相(報告・連絡・相談)では、結論を最初に話す場合がほとんどです。
結論をいつ話すか、どのように決めればよいのでしょうか。結論を最後に話すときと最初に話すときのメリット・デメリットを説明したうえで、どちらを採用すべきか簡単に判断する方法を紹介します。
結論を最後に話すと、相手をイラつかせることも
まず、結論を最後に話す場合について考えてみましょう。結論を最後に話すときには、説明の冒頭で、話のテーマに関する背景や課題を説明します。そして課題の要因を掘り下げ、複数の解決方法の中でベストな解決策を説明していきます。
これによって「現在どのような背景によってどんな問題点が生じているか」を示し、その次に「問題の根本的な原因を解決するために何をすべきか複数の方法を考えたうえで、この結論に至った」という流れで相手に説明できます。
この流れで話せば、聞き手との間に徐々に同じ背景認識・共通理解を醸成し、結論を説明できます。結論に至る過程を聞き手も順を追って理解できるので、聞き手からの反論は受けにくくなります。聞き手にとっては最後まで結論がどうなるか見えないため、反論のしようがないともいえます。このため、途中で聞き手から反論を受けずに説明を完了させやすいのです。
ただし結論を冒頭で示さず順を追ってじっくり話を進めると、冗長な印象を与えてしまうことがあります。忙しくて時間がない、結論に至るまでの詳細は気にしないといった人が聞き手だと、イラつかせることになるというデメリットがあります。