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 技術者出身のプロジェクトマネジャー(プロマネ)が犯しがちな失敗はいくつもある。今回は4つのダメなプロマネの例を見ていこう。最後に、失敗に陥らないためのポイントを紹介する。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

「技術未練型」プロマネ

得意なタスクは譲らず、部下の仕事奪う

 技術者からプロマネになりたてのとき、抜けきらないのは技術者としての無用なプライドである。技術にも詳しいプロマネを目指すのは、あるべき姿だ。しかしマネジメントの能力が足りないばかりに、自分の技術スキルにしがみつき、それを誇示することでリーダーシップを取ろうとするケースが少なくない。

 この手の「技術未練型」プロマネの場合、自分の技術スキルを誇示するほど部下の心が離れていってしまう。

 典型的なのは「このチームだと、データ設計はやっぱりオレがやるしかないかな」などと言って、タスクをえり好みして自分がやってしまうケースだ。この場合、データ設計を担当してみたいと考えていた部下は「せっかくのチャンスを奪われた」「自分はプロマネにいいように使われているだけ」と感じがちである。

 典型例をもう1つ挙げよう。それは、プロマネが自分の得意とする技術スキルに関して、部下をライバル視するようになることだ。自分の得意技術がアイデンティティーになっているプロマネは自分より優れた技術者をライバルと見なしてしまう。

 その部下に対して張り合う気持ちが生まれ、いい成果を出しても、素直に褒められなくなる。そのことが部下との間に溝を生む。その部下はプロマネを脅かすほど技術スキルに秀でた人材であるだけに損失は大きい。

 プロマネはどれだけ技術スキルに自信を持っていても、部下に仕事のチャンスを譲り、チームの人材を育成することを目的とすべきである。

「責任転嫁型」プロマネ

自分のことは棚に上げ、部下を責める

 自分は望んで技術者からプロマネになったのではない──。

 そんな意識が抜けきらず、結果に対する責任感が十分に生まれないプロマネがいる。結果に対して責任を持たないのは、プロマネとしての役割を放棄しているようなものである。だから、納期遅れや要件漏れなどのトラブルが起きたとき、自分で責任を取ろうとせず、そのまま部下に転嫁してしまう。いわば「責任転嫁型」プロマネである。

 この手のプロマネは、部下に愛想をつかされるような行動を取る。例えばトラブルが起きたことで、上司やユーザーなどのもとにおわびや事情説明をするとき、プロマネは部下を連れて行く。そして「コイツが悪いんです」と言わんばかりにその部下を矢面に立たせ、自分は知らぬ存ぜぬを決め込む。

 プロマネの上司やユーザーからの叱責や追及にさらされる部下はたまったものではない。部下がもともと反省していたとしても、責任逃れをしようとするプロマネを見たらどう思うだろうか。「本当に悪いのは私だけなのか?」「フォローしきれなかったプロマネにも責任の一端はあるだろう」「なのになぜ私だけが悪いように非難されなきゃいけないんだ」と、プロマネへの恨みが膨らんでいくだろう。

 プロマネの最も重要な役割の1つは、結果に対する責任を負うことである。それを避けて、プロマネとしてやっていくことは不可能だ。