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 動画配信サービスの米Netflix(ネットフリックス)は、顧客向けリコメンドの最適化にたくさんのAIエンジニアを投入しています。だからこそ多くが使い続けるサービスになっているのです。

 ネットフリックスだけではありません。米Google(グーグル)の検索ロジックや広告の表示ロジック、米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)の商品レコメンドもAIをフル活用しています。優れた企業はAIを競争力向上に直結させています。

日本ではまだトップのコミットが少ない

日本ではまだAI導入、あるいはDXに成功している企業は少ないのが現状です。理由はどこにありますか。

 いくつかの観点があります。1つはトップ、事業責任者のコミットがまだ十分でない企業があるからでしょう。日本でDXがうまくいっている会社は、トップがDXにコミットしています。

 残念ながらこういった企業は日本では主流ではありません。DXの手前の手前、アナログなデータをデジタル化するデジタイゼーションが実現できていればもういいだろうというところも多いのです。

 トップのコミットを深めるにはどうすればいいかです。優れたトップというのはメガトレンドの重要性を理解しています。

 未来を高い確率で予測しようとすれば、AIの重要性に気づくはずです。『次世代AI戦略2025』のようなレポートを読むのもいいでしょう。

 トップがAI導入に積極的になったら問題が解決するわけではありません。社内にデジタル人材がいるのかどうか、DXを進めるための組織・態勢が整っているかどうかも重要です。

 掛け声だけでAIを導入するのは不可能です。社内に人材がいなければ社外の力を借りればいい。社内人材と外部のパートナーとのコラボレーションを含めて、どうAI導入を進めていくかをクリアにしなければなりません。オープンイノベーションを含めた「How」の設計は頭の使いどころです。

この5年がラストチャンス

 最後に時間軸の話をします。2025年までにDXができなければ「企業としてもう終わり」といった危機感を持つべき時代が来ていると感じます。ここがラストチャンスです。

 米中のAI活用はどんどん進んでいます。先行者優位の構図はここでも変わりません。何もしないと圧倒的な差を付けられて終わりです。

 とはいえ絶望する必要はありません。AIを使いこなしている企業は日本にも出てきています。国語算数理科社会というと言い過ぎかもしれませんが、あらゆる企業にとってのAIは基礎教養だというスタンスで取り組んでいくのが重要ではないでしょうか。