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 テレワークが仕事の中心になって早7カ月――。というのは筆者自身のことだが、同じような人はたくさんいるだろう。先日、小学校の同期10人くらいとオンライン飲み会をしたときも、会社勤めのメンバーはみなテレワークがメインだと言っていた。

 この半年余りで「テレワークで仕事が回る」ということはかなり実証されたと思うが、効率が上がっているのか下がっているのかという点では意見が分かれるようだ。効率の低下を懸念してテレワークをやめる会社の話もときに聞こえてくる。

 実際、部下を管理する管理職であれば、部下が本当にちゃんと仕事をしているのかどうかは気になるところだろう。

 過去10年近くにわたって、全員がほぼテレワークという組織でリーダーを務めてきた成瀬岳人氏によるとテレワークで成果を上げる組織をつくるのは十分に可能だという。成瀬氏は総務省の「テレワークマネージャー相談事業」においても、さまざまな企業のテレワークを支援してきた経験を持つエキスパートだ。

成瀬氏は「マネジャー/リーダーのための基礎から分かるテレワーク管理講座」(2020年12月16日開催)の講師を務める
成瀬氏は「マネジャー/リーダーのための基礎から分かるテレワーク管理講座」(2020年12月16日開催)の講師を務める

テレワークの4種の壁

 成瀬氏によるとテレワークを定着させていくためには4種の壁を乗り越えないといけないという。①業務見直しの壁、②情報セキュリティーの壁、③コミュニケーションの壁、④労務管理の壁だ。

 この中で最後の労務管理の壁が、前述の「社員が本当に働いているのか分からない」といったことに関係する。管理職の立場としては、社員が席についているかどうかをツールでチェックするなど、監視を強める方向に進みがちだが、成瀬氏は「部下の行動を逐一把握し、コントロールするような『マイクロマネジメント』では、テレワークの組織はうまくいかない」という。

 時間や空間を共有していないテレワーク環境において、そういった細かい管理をやろうとすると結局はマネジャーも部下も疲弊してしまい、いい結果は生まれない。細かく指示を出しすぎて、部下からそっぽを向かれて放置状態になってしまうこともある。

「支援する」マネジメントへ

 では、どうしたらいいのか。掘り下げて見ていこう。

 成瀬氏は管理型から支援型のマネジメントへの変革が必要だと説く。部下の様子を逐一見ないでも、成果に向かって動くような組織にしていくのだ。成瀬氏はそれを「成果創出支援型マネジメント」と呼んでいる。

 「成果創出支援型マネジメント」では、究極的にはチームメンバー一人ひとりがチームの目指す方向に向かってそれぞれ目標を設定して、主体的に考えて行動する「自律自走」するチームになることが理想だ。

 とはいえ、そう簡単に自律自走できるチームができるわけではない。リーダーがチームメンバーといい関係を築き、チームメンバー同士もいい関係を築き、といった地道なチームづくりが必要になる。