全2443文字
PR

 新型コロナウイルスで働き方は大きく変わった。多くの企業でテレワークが常態化し、社内コミュニケーションはオンラインが中心になった。一方、働く場所の多様化によるコミュニケーションの質の低下などが課題として指摘されている。日経クロステックは米サンフランシスコに本社を置くスクラムベンチャーズの協力を得て、働き方に関連するサービスで注目を集めるスタートアップを取り上げ、連載していく。同社が2021年3月に発表した「Future of Work スタートアップレポート」の中から、「Where We Work(どこで働くのか)」のカテゴリーに登場した企業を中心に紹介する。初回はサービス内容の傾向などを見ていこう。

 スクラムベンチャーズが発表した「Future of Work スタートアップレポート」では、働く場所に関するカテゴリーとして「Where We Work(どこで働くのか)」という切り口で関連サービスを提供するスタートアップをまとめた。この分野で顕著に見られるのは、コワーキングスペースを提供する企業、密集度計測などの「オフィステック」を提供する企業、テレワーク向けの「バーチャルオフィス」を提供する企業が目立っていることだ。

 米マッキンゼー・アンド・カンパニーは、テレワークの従事者が新型コロナのパンデミック以前と比較して4〜5倍になると予測している。日本国内でも大企業を中心に、オフィスの分散化やテレワークの継続を方針とする企業が多く、「テレワークありき」の働き方が今後のスタンダードになりつつある。こうした情勢の中で、世界の投資家は「Where We Work」領域のスタートアップに活発な投資を続けている。

 代表的なスタートアップの1社が、米Codiだ。自宅の空きスペースをコワーキングスペースとして貸し出すプラットフォームを運営する企業で、「コワーキングスペースのAirbnb」とも呼ばれる。2018年に米サンフランシスコで創業した。

 自宅を貸し出したい個人が、会議用スペースなどを提供し、テレワーカーの孤立やモチベーション低下を不安視する企業が主に利用する。価格は1人当たり月額350ドルから。ベンチャーキャピタルの米NFXなどから資金調達しており、今後は対象エリアの拡大を目指している。

Codiのサービス画面。地図上に空いているスペースが表示され、すぐに予約できる。本社のある米サンフランシスコ近辺では多くのスペースが登録されている(資料:Codi)
Codiのサービス画面。地図上に空いているスペースが表示され、すぐに予約できる。本社のある米サンフランシスコ近辺では多くのスペースが登録されている(資料:Codi)
[画像のクリックで拡大表示]

 Codiが脚光を浴びるのは、在宅勤務の場所としての自宅、出社して勤務するオフィスとは別の「第3のオフィス=サードプレイス」に注目が集まっている証でもある。国内でも、「共働きでオンラインミーティングの時間が重なると自宅では仕事しづらい」「在宅ばかりだとメリハリがはく生産性が落ちる」などの理由で、サードプレイスへのニーズが高まっている。「Half」や「ADDress」などの定額制居住サービスの会員数がうなぎ上りに増えている背景にも、こうしたテレワークのための場所を確保したいというニーズがある。