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 6月18日、ブロックチェーンベンチャーのLayerX(東京都中央区)は経営会議で新奇な意思決定をした。「オフィスの解約、やっぱりやめよう」。一度は現オフィスの解約通知を届け出て、縮小移転すると決めた方針を撤回した理由はどこにあったのか。

LayerXのオフィス。東京・日本橋に本社を構える(写真:LayerX)
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LayerXのオフィス。東京・日本橋に本社を構える(写真:LayerX)

 本連載「オフィス・ニューノーマル」ではこれまで、新型コロナウイルスによるリモートワークの浸透でオフィスのあり方を見直している様子を描いてきた。解約してオフィスを縮小移転したり、オフィスを持たず全てをリモートワークとしたりする企業が多かった。

 LayerXも4月、同様の意思決定をした。緊急事態宣言の前後で全社員をリモートワークに切り替え、「もうこの広さは要らない」と判断。4月16日、ビルオーナーに対して現オフィスの解約通知を届け出た。9月下旬に現状復帰工事を始め、10月中旬に退去するスケジュールだった。

 同社は東京・日本橋に100坪強のオフィスを構える。基本的な内装工事が済んだ状態で貸し出される「セットアップオフィス」だ。原状回復に時間が掛からず、有事の際にすぐに退去できるなどの利点がある。

 4月中旬は東京都の新規感染者が高止まりしていた時期だ。「毎週のようにリモートの経営会議でオフィスについて議論していた。慎重に考えていたが、『もう元には戻らないだろう』という意見を、経営陣みんなが持っていた」。執行役員の石黒卓弥は当時をこう振り返る。

 緊急事態宣言が解除された後で、同社は仲介会社に現オフィスの周辺で適切な物件がないか紹介を依頼した。