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 テレワークの浸透で余ったオフィスを有効活用したい――。コロナ禍のこんなニーズに応えるサービスとして、余ったオフィスを貸したい企業と借りたい企業とをマッチングするサービスが登場した。様々な空間のシェアリングを手掛けるスペースマーケットの「オフィス間借りサービス」だ。

「オフィス間借りサービス」のスキーム図。余ったオフィスを貸したい「入居企業」と、間借りしたい「同居企業」をマッチングする。加えて、入居企業と賃貸借契約を結んでいる「物件オーナー」から同居の承認を得る必要がある(資料:スペースマーケット)
「オフィス間借りサービス」のスキーム図。余ったオフィスを貸したい「入居企業」と、間借りしたい「同居企業」をマッチングする。加えて、入居企業と賃貸借契約を結んでいる「物件オーナー」から同居の承認を得る必要がある(資料:スペースマーケット)
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 余ったオフィスを他の企業に貸す「入居企業」はコストを削減できる。間借りする「同居企業」は、敷金礼金や改修費用などオフィス開設に伴う費用を抑えられる。また、一般的なオフィスの賃貸借契約は2年だが、数カ月単位の短期間での間借りも可能になるのでオフィス活用の自由度が高まる。

 「オフィス間借りサービス」が成立するには、入居企業と同居企業のマッチングに加え、物件オーナーの了解が必要だ。入居企業にオフィスを貸している物件オーナーは、同居を禁止しているケースもある。同居したテナントが退居してくれない、原状回復してくれないなどのトラブルを防ぐためだ。しかし、コロナ禍で状況が変わった。テレワークでオフィスが余っている企業の中には、家賃の減免やフリーレントを交渉するケースも出てきている。同居を認めることで入居企業がこれまで通りオフィスを借りてくれるならと考える物件オーナーも出てきている。

オフィスの間借りによって、物件オーナー、入居企業、同居企業のそれぞれの課題やリスクを解決する(資料:スペースマーケット)
オフィスの間借りによって、物件オーナー、入居企業、同居企業のそれぞれの課題やリスクを解決する(資料:スペースマーケット)
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 物件オーナーと入居企業とで結んだ賃貸借契約では、同居を認めていなかったり、同居できる企業を入居企業の関連会社に限定したりするケースが多い。このため入居企業は、物件オーナーに同居の承認を得る必要がある。この際、スペースマーケットは「同居申請書」のひな型を提供し、承認取得をサポートする。ここには、入居企業が退居する際には同居企業も退居することや、入居企業が同居企業に賃借権を譲渡しないことが明記されている。

 スペースマーケットは、入居企業と同居企業の間でも「同居の覚書」を結ぶようアドバイスする。共益費の負担割合や、退居の際の事前通告の時期など、ルールを決めておくことがトラブル防止につながるからだ。覚書のひな型も、同社が提供している。

 同居に関わるノウハウは、スペースマーケットがかつて同居企業だったことが役立っている。「その際の書類や請求書を見返して課題を洗い出し、どのような書類が必要かを整理した。とはいえ、同居の契約は個別性が高いため、個々の入居企業と相談しながら一緒に事業開発をしている」。同社ビジネス開発部の堀田遼人氏はこう語る。

「オフィス間借りサービス」のフロー。入居企業(間貸し企業)に対しては、物件オーナーから同居の承認を得ることからサポートする。同居企業に対しては、必要なスペックや間借りの条件などをヒアリングして、非公表の物件も含めて物件を紹介する(資料:スペースマーケット)
「オフィス間借りサービス」のフロー。入居企業(間貸し企業)に対しては、物件オーナーから同居の承認を得ることからサポートする。同居企業に対しては、必要なスペックや間借りの条件などをヒアリングして、非公表の物件も含めて物件を紹介する(資料:スペースマーケット)
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