全993文字
PR

 オフィスや住宅の設計・施工などを手掛けるTRUST(トラスト、東京都多摩市)の下には、オフィスの在り方を見直す企業からの相談が相次いでいる。多くの企業が新型コロナウイルス感染症の流行や、それに伴うテレワークの導入を受けて、オフィスの縮小移転やレイアウトの変更を検討している。

 TRUSTは2020年5月15日、オフィスを縮小移転する企業に向けたサービスの開始を発表。移転元の原状回復・解体工事や移転先の設計・施工などを手掛ける。サービス開始の発表後には、過去に取引のなかった企業からの相談が増加している。

 TRUSTの下には、20年4月〜6月で100件ほど縮小移転に関する問い合わせが来ているという。そのうち10件程度が実際に縮小移転を決めた。相談に来る主な企業はIT業界で、従業員数は50~150人ほどだ。

 縮小移転の狙いの1つは、販管費を削減し、コロナ禍による売り上げの減少を補うこと。縮小移転を検討する企業の多くは、中央区や港区、渋谷区といった都内の一等地にオフィスを構えており、既存のオフィスの近隣で坪単価が低い移転先を探している。

 TRUSTの山口一代表は、「多くの企業がテレワークの導入によって、これまでのオフィス面積は必要なくなったと考えている。ただ、会社と社員の絆を深めるために、社員が集えるオフィスは狭くても必要だとする意見が多い」と話す。

 縮小移転に次いで多いのは、移転せず現在のオフィスレイアウトを変更したいとの相談だ。新型コロナの感染リスク抑制に向けた対策をとることが目的だ。コロナ禍による業績へのダメージが比較的少なく、オフィスを縮小移転する必要性は感じていない企業がこうした考えを持っている傾向があるという。TRUSTに30件ほど相談が寄せられ、設計段階の案件は10件弱だ。

 TRUSTは縮小移転やレイアウトを変更する企業に、ソーシャルディスタンスを意識しやすいオフィスのデザインを提案している。

 具体的には、座席を中心に直径2mのエリアのタイルカーペットを張り替える。執務室や会議室の机の間に仕切りを設けて飛沫を防ぐほか、人同士のすれ違いを防ぐため通路を一方通行として運用するなどの対策も提案する。

 山口代表は、「『6フィート・オフィス』という海外でコロナ対策をしたオフィスが出てきたのをきっかけに、当社でもコロナ対策のオフィスデザインを考えた」と話す。

TRUSTが提案するオフィスのレイアウト案。直径2mの円を基準にタイルカーペットを張り替えたり、机上に仕切りを設けたりするなど新型コロナウイルスへの対策をとる(資料:TRUST)
TRUSTが提案するオフィスのレイアウト案。直径2mの円を基準にタイルカーペットを張り替えたり、机上に仕切りを設けたりするなど新型コロナウイルスへの対策をとる(資料:TRUST)
[画像のクリックで拡大表示]