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 筆者はマニュアルをはじめ技術文章の添削やリライトの仕事をすることがありますが、「冗長で読みにくいな」と感じる文章にたびたび出合います。伝えたいことは分かるのですが、回りくどくて読むのがなんだかおっくうになるのです。回りくどい文章は読み手をイライラさせ、プロジェクトの進捗を妨げます。

 冗長な文章のパターンはさまざまありますが、今回はその中でもよく見かける例を取り上げます。以下に、該当する文章を集めました。いずれもITの現場でよく見かける文章ですが、何が問題か分かりますか?

  1. レイヤーAのみを表示させることができます。
  2. クリックした箇所を中心に拡大をすることができます。
  3. 花の色を赤にすることができました。
  4. 後からファイルを作成することができます。
  5. A案とB案を比較することができるようになりました。
  6. 詳細な情報を確認することができます。
  7. ファイルを保存することができました。
  8. 画面を切り替えることができます。
  9. クリックすると表示を切り替えることができます。
  10. JPEG画像を扱うことができます。

 これらに共通するのは「こと」という言葉です。いずれも文末が「~することができます/できました」となっています。これが回りくどさを感じさせる原因です。

 実は、「~することが」は省略可能です。これ自体に意味はなく、なくても文章は成り立つのです。「~することが」をカットしたほうが文末が簡潔になり、すっきりとした印象を与えます。

 もちろん、使っている言葉や文脈によっては「~することができる」を使わなくてはならない場合もあります。しかし、まずは「~することができる」を使わずに表現できないか考えてみましょう。

 もう1つ、助詞の「を」にも注目してみましょう。「することができます」の前についている、助詞の「を」です。例えば2の文章では「拡大をすることができます」と「を」が入っています。

 この「を」も省略可能です。「拡大する」という1つの動詞にすればより簡潔になります。

 以上を基に、先ほどの文章を見直してみましょう。まず、1と2です。「を~することが」を削除しました。

  1. レイヤーAのみを表示させることができます。
    (修正案) レイヤーAのみ表示できます。
  2. クリックした箇所を中心に拡大をすることができます。
    (修正案)クリックした箇所を中心に拡大できます。