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新型コロナ禍のテレワーク環境下で、部下とのコミュニケーションは難しくなった。ミスを指摘するときにもポイントを押さえた叱り方が不可欠だ。本特集では日経SYSTEMSの過去記事を再編集。部下との関係を悪化させない「叱り方」の極意を解説する。

 前回は叱り方の基本として鉄則6カ条を紹介した。しかしこれだけで十分とは言えない。叱った内容を素直に受け入れない部下がいるからだ。叱る場合は基本を踏まえながらも、部下の性格の違いを考慮して、叱り方を工夫する必要がある。

 ここでは、叱るのが難しい部下のタイプとして、「言い訳する部下」「反論する部下」「聞き流す部下」「弱気な部下」の4種類を取り上げ、それぞれの叱り方を紹介していく。

タイプ1:言い訳する部下

 部下に議事録を作成させたところ重要事項の記載漏れや誤字脱字のオンパレード。そのことを叱ったところ、「でも、そうは言っても…」「会議では話が脱線してばかりだったから」「あのあと仕事が忙しくて時間がなかったので」などと言い訳が始まった。こんな言い訳する部下には、どう対処すればよいのだろうか。

 ITベンダー執行役員のAさんは、「ユーザーやプロジェクト・チームのほかのメンバーなどに迷惑をかけていることを指摘するのが効果的だ」という。

「言い訳する部下」への対策例
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「言い訳する部下」への対策例
犯したミスがユーザーやほかのメンバーに迷惑をかけている事実を突きつけて、言い訳に意味がないことを理解させることが有効

 先の議事録の例では、「どんな事情があるにせよ、この議事録をそのままユーザーに配ると、どうなるか想像しろ。ユーザーが困るだけでなく、ほかのメンバーまでいい加減な仕事をする印象を持たれるだろう」などと指摘する。周囲に迷惑がかかることを指摘することで、部下は自分が言い逃れしても問題が解決しないことを理解する、というわけだ。

 部下の言い訳を逆手に取って追い込む方法もある。

 ITベンダー取締役のBさんは以前、詳細設計書を作ってから開発するという方針に従わなかった部下を叱ったことがある。その部下は非を認めず、「あとから作るつもりでした」と言い訳した。

 この言い訳を見越していたBさんは、「開発の終盤は時間がないことが多い。その余裕のない時期にどうして設計書を作れるのか。あえて設計書の作成を遅らせた理由を言ってみろ」と問い詰めた。部下はそれ以上言い訳せず、自分の非を認めたという。

タイプ2:反論する部下

 叱ったとき、言い訳どころか「別にいいんじゃないですか」「だって仕方がないでしょう」などと反論してくる部下はもっと手ごわい。ああ言えばこう言うといった具合に反発するため、互いに感情的になって関係が悪化しかねない。こうした部下への対処策としてプライドに訴えかける方法を紹介しよう。

 反発してきた部下に対して、例えば「そうか、君の言い分は分からないでもない。しかしこのレベルの結果しか出せず上司に注意されて、君は満足できるのか。目指すところはもっと高いんじゃないのか」と部下のプライドを刺激する。

 さらに「君ほど実力のあるSEがなんでこんな失敗をしたんだ」と上司の期待とのギャップを指摘するのが効果的だという。