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 本特集では快適なテレワークを実現するために、ボトルネックを探し出して改善する際のポイントを解説している。今回は「宅内ネットワーク」について考える。

テレワークで利用するネットワークを分割してボトルネックを探す
テレワークで利用するネットワークを分割してボトルネックを探す
(作製:日経クロステック。以下同じ)
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 宅内ネットワークは、アクセス回線につなぐブロードバンドルーター(BBルーター)などと端末を接続するネットワークである。アクセス回線にモバイル通信網を使って直接接続するときは宅内ネットワークは必要ない。ここではBBルーターを使うケースを想定する。

無線LANのスループットは低い

 BBルーターとパソコンの接続方法はイーサネットケーブルによる接続と、無線LANによる接続の2つに分けられる。

イーサネットと無線LANの比較
イーサネットと無線LANの比較
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 無線LANは高速化が進み、標準的に使われているIEEE 802.11acの最大通信速度は6.9Gビット/秒になった。一般的に宅内ネットワークで使われるイーサネットの通信速度は1000BASE-Tの規格に対応した1Gビット/秒なのでそれを大きく超える。

 ただ無線LANはイーサネットと違い、実際の通信速度(スループット)は規格の最大通信速度より大幅に低い。理由は大きく2つある。

 1つめは最大通信速度で通信するために必要な機能を、アクセスポイントとクライアントの両方が備えていなければならないからだ。

 IEEE 802.11acの最大通信速度は、8チャネル(160MHz幅)と4ストリームで実現する。しかし一般的なノートパソコンのクライアント機能では2チャネル(40MHz幅)で4ストリーム以下で通信する。このときの最大通信速度は866Mビット/秒である。

 もう1つは、電波の強度や干渉の有無によって通信速度が変動しやすいからだ。

 最大通信速度は866Mビット/秒でも、電波状況が悪ければスループットは数十分の1以下に低下する。テレワークで無線LANを使っていて通信速度に不満がある場合は、電波状況を改善させるとよい。

2.4GHz帯をなるべく使わない

 無線LANで使う電波は、2.4GHz帯(2.4G ~ 2.5GHz)と5GHz帯(5.15G ~ 5.7GHz)の2種類がある。このうち電波状況が特に悪いのは2.4GHz帯である。もし利用している端末が5GHz帯に対応し、アクセスポイントも5GHz帯に対応しているのであれば、すべての機器で5GHz帯を使うようにすると改善する可能性が高い。

 2.4GHz帯の電波状況が悪い最大の理由は、帯域が狭いにもかかわらず、利用する端末が多すぎるからだ。