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 新型コロナウイルスが猛威を振るい、緊急事態宣言が全国で発令された2020年4月ごろから、テレワークを導入する企業が急速に増えています。筆者が所属する企業では2020年3月からテレワークによる在宅勤務を進めており、4月に入るとほぼ全ての社員が自宅で仕事をするようになりました。

 筆者はIT企業で、パートナー制度の運営部門のリーダーを務めています。自宅でテレワークをし始めたのは、3月下旬ごろ。すると、予想もしていなかった事態に陥りました。仕事が手につかなくなり、日常生活でも全くやる気が出なくなったのです。急激な環境変化によって引き起こされた今回の状況を、ここでは「在宅ショック」と呼ぶことにします。

 一時期は「本当に立ち直れるのか」と疑問になるくらいの状態でしたが、自分なりに試行錯誤しつつ取り組んだ結果、何とか短期間で元の状態に戻ることができました。

 今回は在宅ショックに陥った経緯と復活に向けた取り組みについて、筆者の体験談を紹介します。コロナ禍がとりあえず落ち着いてからも、在宅勤務を続ける企業は少なくないようです。もしかすると今後、筆者が経験した在宅ショックに陥ることがあるかもしれません。既にテレワークをしている方だけでなく、これからテレワークをする可能性がある方にとって、筆者の経験が少しでも参考になれば幸いです。

 今回は筆者が在宅ショックになった経緯についてお話しします。

(画像:123RF)
(画像:123RF)

突然、苦悩の日々が始まった

 2020年3月に入った時点で、会社からは在宅勤務を推奨するという内容の連絡が来ていました。しかし筆者は様々な理由をつけて、3月中旬までは基本的にオフィスに行って仕事をしており、テレワークはたまにする程度でした。

 基本的に在宅勤務とする旨の連絡を受けたのは、3月下旬のことです。筆者は覚悟を決め、完全に在宅勤務へと移行しました。

 筆者が在籍しているウイングアーク1stはテレワークに対する取り組みが早く、IT環境面はほぼ完璧と言える状態でした。これに対し、自宅の環境には問題が多々ありました。そもそも自宅には仕事用の机やいすがありません。筆者はそれまで、様々な作業を基本的にカフェでこなしていました。

 在宅勤務を始めた当初は床に座って壁にもたれかかり、折り畳みのちゃぶ台にノートPCを置いて作業をしていました。このため、毎日仕事が終わると体のだるさと肩こりに悩まされるようになり、大学が休校になり自宅にいた息子に「またかよ~」と言われながら毎晩肩をもんでもらい、しのいでいました。

 こうして在宅勤務を始めてから程なく、苦悩の日々が始まりました。冒頭で触れたように、自宅で仕事をしようとしても全く手につかないのです。

 もう少し具体的に説明しましょう。筆者が手掛ける仕事は大きく3種類あります。企画的な仕事、作業的な仕事、マネジメントを含む管理的な仕事です。今回、自宅でできなくなったのは企画的な仕事と作業的な仕事でした。

 1つめの企画的な仕事とは、新規事業の企画といった大きな話ではなく、何か新しいアクションを起こすときに企画を立てるといった業務を指します。目的を定義して目標を設定し、実現のためのプロセスを複数考える。各プロセスのメリットやデメリットを洗い出したうえで、その中の1つを選択し、スケジュールを設定してアクションプランに落とし込む、という流れで進めます。軽い内容であれば、せいぜい資料2~3ページ程度のボリュームです。

 筆者は企画的な仕事を進める際に、通常はこれらの流れをまず頭の中で考えたうえで、ドキュメントにざっくりとまとめます。そのドキュメントを見ながら内容をさらに練り込み、最終版を作っていきます。頭の中での検討からざっくりとしたドキュメントへの落とし込みまで、モノにもよりますが早ければ1~2時間、通常は数時間で終わる場合がほとんどです。

 ところが在宅勤務になり、この仕事が全くできなくなりました。いつもなら、いろんなキーワードが頭に浮かび、それを結び付けて構成できるのに、いくら考えても頭に何も浮かばない。キーワードすら浮かんでこないのです。このため、簡単な企画でも作成に1週間あるいはそれ以上かかるようになってしまいました。