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 この連載では、IT企業に勤める筆者がコロナ禍による在宅勤務を始めたことで経験する羽目になった「在宅ショック」に陥ってから、復活を果たすまでの取り組みをお話ししてきました。

 今回が最終回となります。ここまでの筆者の取り組みを総括し、さらに「在宅ショックの先にあるもの」について筆者の考えを紹介したいと思います。

(画像:123RF)
(画像:123RF)

「在宅ショック」からの脱却、5つのポイント

 なぜ筆者は在宅ショックから抜け出すことができたのでしょうか。ポイントは大きく5つ挙げられます。

(1)自分の状態を把握し、復活を常に意識した
(2)仕事と日常生活を一体として考えた
(3)自分自身の「構成要素」を明確にした
(4)新たな構成要素の実現・見直しにPDCAを取り入れた
(5)コミュニティーを心の支えにした

 順に見ていきましょう。

(1)自分の状態を把握し、復活を常に意識した

 まずは自分自身の状況を把握しないと、手の打ちようがありません。毎日の業務プロセスの中に、自分自身の体調やメンタルの状況、仕事へのモチベーションをチェックする作業を設定しました。以下のような流れで進めます。

・その日の業務に関するタスクを確認する

・その日の体調や精神状況、仕事へのモチベーションを確認する(そして復活を意識する)

・業務を始める

 以前に、通勤時に頭の中で整理していた「当日の業務内容の確認」を、在宅勤務後は明示的に業務開始のタイミングで行うようにしたとお話ししました。その後に、自分自身の状況を把握する作業を入れました。

 さらにその際に必ず、「今はこんな状況だが、きっと復活するぞ!」と、あるべき自分を意識するよう努めました。

 筆者は業務プロセスに組み込みましたが、やり方は様々だと思います。家族で朝食を食べる際に、「今日はこんな体調だよ」などと会話するだけでも十分です。定期的に(できれば毎日)自分の状態を把握し、復活に向けた意識を確認することが重要です。

(2)仕事と日常生活を一体として考えた

 読者の皆さんの中には筆者と同様、「仕事大好き人間」がいるかもしれません。筆者もですが、そうした人は在宅ショックのような不慮の事態が生じた際に、つい仕事だけに目を向けてしまいがちです。

 在宅ショックで状況が急速に悪化していった転落期に、筆者は「仕事ができなくなったのだから、仕事に関する環境や条件を改善すればいいだろう」と考え、いくつかの取り組みを実行しました。しかし既に紹介したように、効果は全くありませんでした。

 在宅勤務になると、これまでよりも仕事と日常生活の境目が薄れます。筆者は様々な検討と分析を通じて、「仕事と生活を切り離さずに、一体として考える必要がある」という仮説を立てて、取り組みを進めました。それが復活につながったと考えています。

 「ライフワークバランス」という言葉があるように、当たり前といえば当たり前の話ですが、筆者のように得てしてそれに気付かないケースもあるので注意が必要です。