2020年7月3日以降、梅雨前線に伴う大雨が、熊本県や鹿児島県などを襲った。球磨川では堤防が決壊。熊本県南部で広域にわたる浸水被害をもたらした。土砂災害による被害も多発している。梅雨前線に伴う豪雨はその後も九州北部、中部地方などで猛威を振るった。列島の広域で甚大な被害が生じている。
梅雨前線に伴う被害の拡大に伴い、親記事のタイトルを「2020年九州南部豪雨」から「2020年梅雨末期豪雨」に変更しました。併せてリード文に追記しています。[2020/07/08 11:30]
2020年7月3日以降、梅雨前線に伴う大雨が、熊本県や鹿児島県などを襲った。球磨川では堤防が決壊。熊本県南部で広域にわたる浸水被害をもたらした。土砂災害による被害も多発している。梅雨前線に伴う豪雨はその後も九州北部、中部地方などで猛威を振るった。列島の広域で甚大な被害が生じている。
「令和2年7月豪雨」では死者・行方不明者が80人以上を記録した。2019年の東日本台風では107人、18年の西日本豪雨では245人だ。従来、豪雨災害の際の死因としては土砂災害の比重が大きかったが、最近は水死の割合が高くなっている。海外では、浸水被害による人命損失のリスク管理を河川計画に導入する取り…
「令和2年7月豪雨」によって、球磨川水系ではかさ上げなどの水防災対策事業で浸水を防ごうとした範囲が被災した。水防災対策で住民を守れなかった例は他の災害でもあり、気候変動で水害リスクが増す中、水防災対策への変革が求められている。先進諸国の制度や対策を振り返りながら、元国土交通省で現在水源地環境センタ…
熊本県の球磨川水系では上流での川辺川ダムの建設計画を中止してから11年にわたり、ダムによらない水防災事業を進めてきた。中流域の人吉市から下流部は山間狭窄(きょうさく)部が続く地形で、築堤や宅地かさ上げなど実施できる事業メニューは限られる。「令和2年(2020年)7月豪雨」で、実際に水防災事業が機能…
過去に何度も氾濫して水害をもたらしてきた熊本県の球磨川。それだけに、川沿いの自治体の多くは「タイムライン」と呼ぶ防災行動計画を作って備えてきた。災害時の状況を事前に想定し、いつ、誰が、何をするのか、時系列で整理したものだ。中でも人吉市はタイムラインの先進地だった。
元国土交通省で現在水源地環境センターの安田吾郎氏が、「令和2年7月豪雨」による球磨川の決壊箇所付近を歩いて、被災の様相を分析した。14人の犠牲者を出した特別養護老人ホーム「千寿園」を含む渡地区ではなく、これまであまり報道されていない球磨川左岸の大柿地区にスポットを当てた。現地では堤内側から川側へと…
日経クロステックは著しい住家被害をもたらした球磨川と支流の氾濫流域にある住宅地を、2020年7月17~19日に見て回った。7月初旬の豪雨による被災地の多くは過去にも浸水しているため、地盤をかさ上げした住宅やピロティ形式を採用した住宅が各地にあった。過去の降水量を大きく上回った今回の豪雨で、それらが…
国土交通省で主に河川やダムの事業に関わり東北地方整備局副局長を務め、現在は一般財団法人「水源地環境センター」の業務執行理事である安田吾郎氏が、2020年7月豪雨で被害の大きかった球磨川を現地踏査した。氾濫から数日後に現地入りして、片付けもままならない状況下で撮影してきた写真を基に、球磨川流域のルポ…
浸水被害が目立つ「令和2年7月豪雨」だが、実は土砂災害でも15人の死者が出ている(2020年7月16日正午時点)。そのほとんどは、熊本県南部に位置する芦北町や津奈木町で発生した土砂災害による犠牲者だ。熊本大学の現地調査や京都大学防災研究所流砂災害研究領域の竹林洋史准教授による2次元土石流数値シミュ…
5500棟以上が床上浸水、570棟以上が全半壊(2020年7月13日時点)した熊本県内で、木造の応急仮設住宅の建設が始まった。豪雨発生からわずか1週間後の7月10日に人吉市内で15戸、同市に隣接する山江村内で25戸が着工。さらに、13日には相良村で16戸、15日には人吉市で33戸、芦北町で50戸の工…
九州地方を襲った豪雨の影響で、鉄道にも大きな被害が出た。JR九州では、久大本線と肥薩線で3つの橋梁が流失した他、線路への土砂崩落や盛り土の流出などが相次いだ。
球磨川が氾濫して大きな被害のあった熊本県人吉市。被災から数日がたち、水が引いた同市九日町周辺の空撮動画を入手したので、お伝えする。提供は地元の速永工務店だ。球磨川の支流の山田川沿いにある同社は、7月3日からの大雨で床上浸水の被害を受けた。今も電気・機器など事務所の設備のほとんどが使用できない状況だ…
令和2年(2020年)7月豪雨の影響で、NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクの大手携帯3社に通信障害が発生している。
7月3日からの大雨の影響で流失した球磨川に架かる道路橋の大半は、1980年代以前に完成した鋼製のトラスやランガーの形式であることが日経クロステックの調査で分かった。残された桁に流木が絡まっているなど、流量を増した河川の水圧をもろに受けたと思われる。一方、90年代以降に造られたり堤防の上を交差したり…
2020年7月豪雨で、熊本県人吉市と並んで全国最多の犠牲者を出している同県球磨村。被災状況を把握するため、九州自動車道人吉インターチェンジから西に向かった。経由する国道219号は球磨川の氾濫のため、無残に寸断されていた――。
水蒸気爆発が発生した東海カーボンの田ノ浦工場(熊本県芦北町)は、2020年7月9日現在も稼働を一時停止している。鎮火には成功したものの、工場の一部が冠水しているなど被害は大きい。「爆発した炉は今後も使えるようにはならない見込みだ。再開時期は未定だが、サプライチェーンへの影響は最小限に抑える」と同社…
梅雨前線の影響による大雨の被害が各地に広がっている。2020年7月7日に大分県や福岡県など九州北部で、8日に岐阜県や長野県など中部地方で、それぞれ河川の氾濫や土砂災害などが相次いだ。
熊本県人吉市の人的被害は、総務省消防庁の発表によると死者17人、行方不明者2人、心肺停止1人だ(7月8日午後2時時点)。現地で日経クロステックの記者が撮影した球磨川に架かる橋の被害状況を、お伝えする。
熊本県南部に豪雨をもたらした梅雨前線は、九州北部にも大規模な被害を発生させた。7月7日午前6時40分までの24時間降水量が観測史上最大の446.5ミリを記録した福岡県大牟田市では市街地の広範囲が浸水し、2人が亡くなった。
7月3日からの大雨で広範囲にわたる浸水被害などが生じ、多くの犠牲者が出た熊本県人吉市。7日に九州自動車道を使って現地入りした日経クロステック記者が、人吉市街地の様子を写真でお伝えする。
梅雨前線の影響で全国的に広がっている豪雨によって、三菱電機は岐阜県と長野県にある2工場の稼働を2020年7月8日に停止した。工場への被害はないものの、従業員の安全を考慮した。両工場はハンドドライヤーの「ジェットタオル」などを製造しており、サプライチェーンへの影響は「調査中」(同社)という。