梅雨前線の影響で2020年7月3日から降り続く雨によって、熊本県を中心に橋の崩落や土砂災害、河川氾濫などの被害が多発した。
気象庁によると、12時間雨量は熊本県湯前町で411.5mm、同球磨村で396.5mm、同人吉市で340.5mmと、いずれも観測史上1位を記録。半日で7月の平均降水量に匹敵する雨が降り、1級河川の球磨川が氾濫した。4日夕方には人吉市の中神町付近で球磨川の堤防が決壊した。
県災害対策本部の5日午後2時時点の発表によると、県内の死者は18人、心肺停止は16人、行方不明者は14人に及んだ。球磨川の上流から下流まで浸水区域が広範囲にわたり、住宅被害の規模が把握しきれていない。人吉市では10m近い浸水深が確認されている。
球磨川下流域に位置する熊本県芦北町、同津奈木町では、土砂災害も目立った。芦北町田川地区では、土砂災害警戒区域(急傾斜地、土石流)で土砂災害が発生。住宅複数棟が巻き込まれた。