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ローコード開発は新規開発から本稼働後の保守開発まで担う「アプリ開発基盤」へと進化した。アプリ開発のハードルが下がり、ユーザー企業は内製に踏み出しやすくなっている。人月商売に頼る旧来のSIビジネスは淘汰が進みそうだ。

 ローコード開発プラットフォームは適用範囲を広げる方向で現在も進化を続けている。NTTデータはその進化を3段階で捉えている。

図 ローコード開発プラットフォームが備える機能
図 ローコード開発プラットフォームが備える機能
開発ツールからプラットフォームへと進化(出所:NTTデータの資料を基に日経コンピュータが作成)
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 当初はシステム開発の局所的な部分を自動化する「プログラム生成型」のツールが多かった。RADやCASEなどと呼ばれていたころだ。

 アプリケーションの画面デザインや業務ロジック、データ構造を設計する機能を一通り備える製品が多い。ただ自動生成後の画面や業務ロジック、データベースを連携させるには別途コーディングが必要なケースもあり、自動化できる領域が限られていた。

 その後、アプリケーションを統一的に開発する「統合環境型」のツールが登場した。GUIベースの操作でモデル化されたソフト部品やデータ構造などを組み立てるように開発するものだ。

 日本では超高速開発ツールのくくりで2010年代前半から広まった。GUIを使った開発のしやすさから、個別システムだけでなく業務パッケージソフトの開発にも活用されるようにもなった。例えばイスラエルのマジックソフトウェアの「Magic xpa」は300種類以上のパッケージソフトの開発に使用されているという。

 2020年現在、ローコード開発はさらに進化し「プラットフォーム型」が台頭している。専業ベンダーに加え米マイクロソフトや米AWSなどといった大手ITも注力するようにもなった。

 プラットフォーム型という名前はツールがシステムのライフサイクル全般を支援するアプリ基盤になっている点に由来する。設計から実装、テスト、運用までを網羅的にカバーしており、本稼働後のバージョン管理や配信管理、性能監視、利用者からのフィードバックといった保守開発や運用に必要とされる機能も備える。

図 プラットフォーム型の製品によるシステムの構築から運用までの流れ
図 プラットフォーム型の製品によるシステムの構築から運用までの流れ
システムの設計から運用までを網羅的にカバー(出所:NTTデータの資料を基に日経コンピュータが作成)
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 クラウド上で全ての開発が完結するのもプラットフォーム型の特徴だ。画面や業務ロジック、データ構造などの設計情報をクラウド上のリポジトリーで自動管理するため、開発者はネットにつながる環境があればどこでも作業ができる。ガートナージャパンの片山アナリストは「(アフターコロナの)ニューノーマル(新常態)となったリモート開発との親和性が高い」とする。