古参のモバイルユーザーにはキーボード内蔵端末の愛好家が多い。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、スタイラスペンやハードウエアボタン、内蔵キーボードなどの入力方法をサポートした端末が多数リリースされた。そのためキーボードを愛用するモバイルユーザーが多数いたのである。モバイルシーンでキーボードを使って文字を入力することが、思考を組み立てる手助けになったのだ。
筆者も米ヒューレット・パッカード(当時)の「HP200LX」、カシオ計算機の「カシオペアA-51」、NTTドコモの「シグマリオンⅢ」(NEC製)などのPDA(携帯情報端末)を使ってきた。またスライド式キーボードを備えたスマホであるウィルコム(当時)の「W-ZERO3シリーズ」(シャープ製)を歴代愛用していた。
その後スマホ全盛時代に入ると、指によるタッチ操作がメインである端末のシェアが拡大し、キーボード内蔵型のモバイル機器は少なくなった。一方でiPhoneやAndroidスマホの性能が急速に高くなっていき、ディスプレー上のソフトウエアキーボードでも十分な入力が可能になった。
ただ古いモバイルユーザーとしては、今なおハードウエアキーボードを使いたくなる時がある。そこでiPhoneやAndroidスマホにキーボードをつないでノートパソコンのスタイルで利用するのだが、これだと使いにくく感じる。