さまざまな分野において「3Dプリンター」(アディティブ製造、AM)の活用が広がってきている。しかし、3Dプリンターには複数の異なる造形方法があり、それぞれで使える材料や実現できる形状・精度、使いこなしのノウハウなどに特徴がある。これらを理解し、最適な3Dプリンターを選択して使いこなすことが、活用を成功させるためには不可欠だ。
本コラムでは、「3Dプリンター活用技術検定 公式ガイドブック[改訂版]」〔コンピュータ教育振興協会(ACSP)〕の一部を再編集して掲載する。ACSPが主催する「3Dプリンター活用技術検定試験」は、3Dプリンターの知識習得レベルの向上を目指して2016年に始まった試験で、ガイドブックはその受験者のための指導、試験範囲の提示を主目的として作成された書籍である。3Dプリンター活用に向けた第一歩となる情報を本コラムでは解説する。

3Dプリンター活用最初の一歩
目次
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短期・単品の特徴生かす3Dプリンター活用
最終回
アディティブ製造(3Dプリンティング)は機械加工や型を使った成形といった従来工法に比べて、複雑な形状を低コストかつ短時間で造るのに向いている。そのため、試作品を効率よく造る手段として当初は普及してきた。
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3Dプリンター活用を成功させる造形のコツと注意点
アディティブ製造装置(3Dプリンター)による立体モデルの造形を成功させるためには、造形方法や機種の違いを理解するとともに、材料の特性なども熟知する必要がある。これらを正しく理解すれば、アディティブ製造の特徴を十分に生かした新しい機能やカタチ(設計や構造など)を生み出せる。ここでは、アディティブ製造…
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溶融池に金属粉末を吹き付ける「指向性エネルギー堆積法」
今回は「指向性エネルギー堆積法」について解説する。指向性エネルギー堆積法は、金型や金属部品の補修などに適用される肉盛溶接を応用した方式といえる。粉末床溶融結合方式と同様、熱源としてはレーザーや電子ビームを使う方式が実用化されている。
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敷き詰めた粉末の一部を溶かす「粉末床溶融結合法」
今回は「粉末床溶融結合法」について解説する。敷き詰めた粉末材料の表面に、レーザービームや電子ビームを選択的に照射して断面形状部分だけを溶かし、固めてしまう方法である。1層分を硬化させてから、造形テーブルを下げて次の層の粉末材料を供給するというプロセスは、結合剤噴射法とほぼ同じである。ただし、断面形…
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粉末をバインダーで固めて造形
第7回
今回は「結合剤噴射法」について解説する。インクジェットヘッドを使う点は「材料噴射法」(2021年2月号参照)のアディティブ製造装置(3Dプリンター)と同じだが、造形材料そのものを吐出する材料噴射法とは異なり、結合剤噴射法では造形材料を固めるための結合剤(バインダー)を吐出するのが特徴だ。
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インクジェットで造形材料を噴射する「材料噴射法」
今回は「材料噴射法」について解説する。一般的な2次元のインクジェットプリンターと同じようなインクジェットヘッドから立体モデルとなる造形材料やサポート材を直接吐出する方法だ。アディティブ製造装置(3Dプリンター)としては、粉末材料を固めるためのバインダー(接着剤)をインクジェットヘッドから吐出する「…
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液体の中から立体モデルが出現する「液槽光重合法」
今回は、「液槽光重合法」について解説する。この造形方法は、タンクにためた液体の光硬化性樹脂に対し、レーザーなどの光を選択的に照射して立体モデルとなる部分を硬化させる方法だ。アディティブ製造の造形方法としては最も初期からある手法で、「光造形法」とも呼ばれる。
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可動ノズルから吐出する「材料押出法」
今回から、アディティブ製造(3Dプリンティング)の7つの造形方法それぞれについて、造形プロセス、造形材料、前工程と後工程について詳細に解説していく。今回は「材料押出法」を紹介する。
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アディティブ製造の活用は型を造っても効果的
3Dプリンター(アディティブ製造装置)を活用して実製品・部品を造る場合、大きく次の3つの方法がある。[1]試作品や製品・部品そのものをアディティブ製造装置で直接造形する方法、[2]金型などの型をアディティブ製造装置で造形する方法、[3]原型をアディティブ製造装置で造形した後に転写して型を造り、それ…
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試作や量産で効果を出すアディティブ製造の使い方
まだまだ技術的な発展の余地はあるだけに、3Dプリンターによる製造(アディティブ製造)は非常に大きな可能性を秘めた技術である。既存工法で造っていたモノの造り方を単に置き換えるだけでなく、アディティブ製造の特徴を最大限に生かした使い方を模索したい。設計を見直して形状を変えるのに加えて、従来の業務フロー…
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アディティブ製造の造形方法は7つ、後処理方法もさまざま
前回は本連載の導入として、3Dプリンターの基本原理や造形プロセス、従来工法との違いや使い分けなどについて説明した。そこでも簡単に触れたが、3Dプリンターは断面形状を積み重ねるという手法を共通点としつつも、さまざまな種類の装置がある。使用できる材料、造形できる立体モデルの大きさ、実現できる精度、装置…
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3Dプリンター活用最初の一歩、なぜ複雑形状が造れるのか?
製造装置として3Dプリンターを使う企業が増えてきている。従来にない複雑な形状を、少量品であっても低コストかつ短時間で造れるからだ。だだし、装置を購入すればすぐに実力を十分に発揮できわけではない。ユーザー側が3Dプリンターの本質を知っておくことは不可欠だ。切削加工や射出成形といった従来工法と使い分け…
日経クロステック Special
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