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 日経Automotiveが自動車関連の技術者を対象に実施したアンケート調査「アフターコロナの自動車産業~技術者の働き方と社会・消費者ニーズはどう変わるか」――。今回は前回に引き続き、技術者の働き方の現状と今後を、同調査から分析していく。

* 同調査は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、自動車産業界における技術者の働き方や社会・消費者のニーズはどう変化しつつあるのか、また自動車関連企業は事業を安定させるためにどのような事業体制の見直しが必要なのかを調べるために実施したもの。メールマガジン「日経 Automotive News」の登録者、およびWebサイト「日経クロステック」の登録会員で半年以内にアクセスがある会員を対象に、2020年6月18~19日の2日間、Webを通じて実施した。有効回答数は219件だった。

不満は製品設計/機械系ハードが最大

 では、現在のテレワークや出勤の状況に対して、技術者はどのくらい満足しているのだろうか――。本連載の第1回でも紹介したが、大変満足している、もしくは満足していると答えた技術者は、今回の調査では48.9%と半数に届かなかった(図1)。

図1 あなたは現在のテレワークや出勤の状況について満足していますか(ひとつだけ)製品設計の方が、生産技術・管理よりも満足している技術者の割合が低かった。
図1 あなたは現在のテレワークや出勤の状況について満足していますか(ひとつだけ)製品設計の方が、生産技術・管理よりも満足している技術者の割合が低かった。
(出所:日経Automotive)
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 大まかには、全担当業務中のテレワークの実施割合が高い職種(研究開発、製品設計、事業・商品企画、生産技術・管理)や対象業務(機械系ハードウエア、電気・電子系ハードウエア、ソフトウエア)ほど、満足している技術者が多い傾向が見られた。具体的には、満足している技術者が最も少ないのは、職種では製品設計、対象業務では機械系ハードウエアだった。

 技術者が現状のテレワークや出勤の状況に対して不満に感じているのは、大きくは「ネットワークやシステムの環境」「テレワークゆえの課題」「会社の姿勢や顧客・社会の合意」「勤務環境や待遇面」に関することだった。例えば、システムやネットワークの環境については、「CADのリモート操作時のレスポンスが低い」「システムの整備が不十分」(研究開発、機械系ハードウエア)、「ネット環境が貧弱なため、複数人同時のWeb会議でトラブルが発生することが多々あった」(研究開発、電気・電子系ハードウエア)、「シンクライアントPCが足りない」(製品設計、機械系ハードウエア)、「ネットワークが重くて仕事にならなず時間をずらして対応している」(製品設計、ソフトウエア)などの声が上った。

 テレワークゆえの課題に関することでは、「現物の確認、評価が遅れる」(研究開発、その他)、「ペーパーレス化をもっと進める必要がある」(製品設計、機械系ハードウエア)、「現場に出た方が具体的な課題を感じられる。テレワークでは当事者との交渉に距離を感じる、具体的な施策や決定に時間がかかる」(事業・商品企画、ソフトウエア)、「オンラインによるブレーンストーミングでは、タイムラグでアイデアが広がりにくく時間がかかる」(事業・商品企画、その他)、「テレワークへの理解度が低く実施するにも心理的なバイアスがかかり実施できない」(生産技術、回答なし)、「テレビ会議では応答遅れによる間があり、誰かの発言に対する他の人の反応が画面では伝わらず、複数の相手との距離感を感じる。発言が消極的にならざるを得ず、一方的なプレゼンに終わることも多い」(その他、回答なし)などの不満があった。

 会社の姿勢や顧客・社会の合意に関しては、「とりあえずテレワークを導入しましたというポーズだけで、真の効率化を目指したテレワーク導入のための活動をしていない」「テレワーク前提と前提でない客先があり客先担当ごとの不公平感が生じる」(製品設計、機械系ハードウエア)、「在宅勤務や時差出勤に会社が積極的ではない」「オーナーの方針でテレワークなどのIT投資が後回しになっている」(事業・商品企画、その他)など厳しい指摘が挙がった。

 勤務環境や待遇面については、「在宅勤務と通常出勤の割合が個々で違う」「在宅勤務は時間給になる」(研究開発、機械系ハードウエア)、「労働時間が削減され給料面に不満がある」「取引先の生産減で出勤調整(週休4日)」(生産技術、回答なし)といった声があった。