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 日経Automotiveが自動車関連の技術者を対象に実施したアンケート調査「アフターコロナの自動車産業~技術者の働き方と社会・消費者ニーズはどう変わるか」――。本連載の第2回第3回では、技術者の働き方の現状と今後を取り上げた。最終回となる今回は、社会・消費者のニーズの変化と事業体制の見直しについて自動車関連の技術者はどう見ているのか、同調査から分析していく。

* 同調査は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、自動車産業界における技術者の働き方や社会・消費者のニーズはどう変化しつつあるのか、また自動車関連企業は事業を安定させるためにどのような事業体制の見直しが必要なのかを調べるために実施した。メールマガジン「日経 Automotive News」の登録者、およびWebサイト「日経クロステック」の登録会員で半年以内にアクセスがある会員を対象に、2020年6月18~19日の2日間、Webを通じて実施した。有効回答数は219件だった。

物流の自動運転で人の移動減に

 自動車・自動車関連サービスに対する社会・消費者ニーズの変化については、本連載の第1回でも紹介したが、「物流分野で自動運転ニーズが増す」「配送サービスの適用分野拡大へのニーズが増す」「小型モビリティー/パーソナルモビリティーへのニーズが増す」といった選択肢を選ぶ技術者が半数を超えた。

 物流分野での自動運転の適用は、人の移動を伴わないため、ウイルス感染のリスクを減らせる。仮に、再び緊急事態宣言や外出自粛が実施されても、物流を止めずに済むというメリットがある上、感染リスクの低減により日常生活や経済活動を維持する基盤となり得る。配送サービスの拡大についても、消費者は外出をせずに消費活動を続けやすくなる。配送サービスの拡大は、人の移動を減らし感染リスクの低減に貢献する上、経済活動の維持につながる。これらは、そうした視点から選択した技術者が多かったのではないかとみられる。

 一方、小型モビリティーやパーソナルモビリティーのニーズが増すという背景については、自由記述による回答が参考になる。「公共交通機関の利用が減少し、個人移動への需要が増す」「所得減によりA、Bセグメント車のニーズが増える」「車内消毒機能ニーズの高まりや少子高齢化の進行と相まって、大型ミニバンのニーズが縮小する」といった考え方だ。エネルギー効率や環境側面、駐車スぺースなどから捉えても、個人移動の場合は小型もしくはパーソナルなモビリティーが好ましい。

 この他、「地方への移住が進み、移動手段として自動運転モビリティーのニーズが高まる」「人流モビリティー全般の需要が低下する」などの意見もあった。