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東京・上野動物園で2020年7月に竣工検査を終え、パンダの引っ越しを待つばかりとなった新パンダ舎。独自に入手した図面と取材を基に新パンダ舎の全容を紹介する連載2回目は、パンダの居心地を考えた空間作りの工夫について取り上げる。

新パンダ舎の平面図。観覧者は図の左から右に向かって進んでいく。東京都の資料に日経クロステックが加筆
新パンダ舎の平面図。観覧者は図の左から右に向かって進んでいく。東京都の資料に日経クロステックが加筆
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 新パンダ舎には屋外観覧エリアの他に、屋内観覧エリア(上の図の「屋内放飼場1」「屋内放飼場2」「屋内放飼場3」)もある。パンダは暑さが苦手なので、気温が高い時などは室温を調整できる屋内放飼場で過ごす。

 観覧者は、ここではガラス越しにパンダを見る。屋内といっても、観覧通路は現パンダ舎と同じく屋根があるだけなので、観覧者は冷暖房の恩恵にあずかれない。一方、密閉空間ではないため、新型コロナウイルス対策には良さそうだ。

 屋内放飼場には人工の照明に加え、トップライト(天窓)も設ける。「自然光も取り込めるように」といった内容が、パンダ舎に関する中国の設計基準書に記されているためだ。

新パンダ舎の屋内観覧エリアである「屋内放飼場1」の矩計図。天井から自然光を取り込む「トップライト」(図中の丸印)が記載されている。東京都の資料に日経クロステックが加筆
新パンダ舎の屋内観覧エリアである「屋内放飼場1」の矩計図。天井から自然光を取り込む「トップライト」(図中の丸印)が記載されている。東京都の資料に日経クロステックが加筆
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 また、「屋内放飼場2」と「屋内放飼場3」の観覧通路を覆う屋根は、中国の建物をイメージして端部が少しだけ上に反っている。屋根は灰色。モルタル製の擬岩の茶色とのコントラストも意識しつつ、落ち着きがある色合いにした。

新パンダ舎を含む「パンダのふるさとゾーン(仮称)」の完成予想図(2018年6月時点)。中央やや右手前に中国風の屋根が見える。屋根の下は「屋内放飼場2」と「屋内放飼場3」の観覧通路になっている(資料:東京都)
新パンダ舎を含む「パンダのふるさとゾーン(仮称)」の完成予想図(2018年6月時点)。中央やや右手前に中国風の屋根が見える。屋根の下は「屋内放飼場2」と「屋内放飼場3」の観覧通路になっている(資料:東京都)
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「屋内放飼場2」と「屋内放飼場3」の矩計図。観覧通路を覆う屋根は「金属屋根ぶき」で、「亜鉛めっきステンレスの色むらをバランスよく配置する」としている(資料:東京都)
「屋内放飼場2」と「屋内放飼場3」の矩計図。観覧通路を覆う屋根は「金属屋根ぶき」で、「亜鉛めっきステンレスの色むらをバランスよく配置する」としている(資料:東京都)
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現パンダ舎がある上野動物園の東園と新パンダ舎ができる西園とをつなぐ「いそっぷ橋」から、新パンダ舎の工事現場を見下ろす。写真左手に端が反った中国風の屋根が見える。右手の白い建物に竹庫などがある。2020年1月2日撮影(写真:中川 美帆)
現パンダ舎がある上野動物園の東園と新パンダ舎ができる西園とをつなぐ「いそっぷ橋」から、新パンダ舎の工事現場を見下ろす。写真左手に端が反った中国風の屋根が見える。右手の白い建物に竹庫などがある。2020年1月2日撮影(写真:中川 美帆)
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「いそっぷ橋」の右手が新パンダ舎。2020年当初は橋から新パンダ舎の工事現場が見えたが、その後は高欄に柵が設置されて見えなくなった。パンダを見ようと大勢の人が滞留する恐れがあり、危険なためだ(写真:中川 美帆)
「いそっぷ橋」の右手が新パンダ舎。2020年当初は橋から新パンダ舎の工事現場が見えたが、その後は高欄に柵が設置されて見えなくなった。パンダを見ようと大勢の人が滞留する恐れがあり、危険なためだ(写真:中川 美帆)
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 筆者はこれまで中国本土以外の世界各国にある28カ所のパンダ舎を訪れた。中には柱を赤く塗ったり、ランタンをつるしたり、そばに寺院のような建物を建てたりと、中国を強く意識したパンダ舎も複数あった。それらに比べると、上野動物園の新パンダ舎の「中国風」はごく控えめだ。あえてオリエンタルな雰囲気を出す必要はないのだろう。

オランダのアウエハンツ動物園のパンダ館。建物の構造や色、素材は中国の寺院をベースにした。2018年8月撮影(写真:中川 美帆)
オランダのアウエハンツ動物園のパンダ館。建物の構造や色、素材は中国の寺院をベースにした。2018年8月撮影(写真:中川 美帆)
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インドネシアのタマンサファリにそびえるパンダ館は豪華な3階建て。エレベーターとエスカレーターもある。2019年1月撮影(写真:中川 美帆)
インドネシアのタマンサファリにそびえるパンダ館は豪華な3階建て。エレベーターとエスカレーターもある。2019年1月撮影(写真:中川 美帆)
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米国メンフィス動物園のパンダ舎。写っているのは2000年8月3日生まれの雌のヤァヤァ(雅雅)。パンダの近くには鳥などを配置していて、一帯の入り口には寺院のような建物が建っている。2018年5月撮影(写真:中川 美帆)
米国メンフィス動物園のパンダ舎。写っているのは2000年8月3日生まれの雌のヤァヤァ(雅雅)。パンダの近くには鳥などを配置していて、一帯の入り口には寺院のような建物が建っている。2018年5月撮影(写真:中川 美帆)
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