車載カメラやミリ波レーダーなどを駆使した運転支援技術の搭載は自動車開発においてもはや当たり前。トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン:以下VW)、同Daimler(ダイムラー)のメルセデスベンツ、同BMWといった大手自動車メーカーは、性能競争でしのぎを削っています。
昨今は、山林などの悪路を走行する本格的なオフロード車にも波及しています。その一端として、英Jaguar Land Rover(ジャガー・ランドローバー、以下JLR)が新たな機能を武器に競争へ名のりを上げました。新型SUV(多目的スポーツ車)「ランドローバー・ディフェンダー」に搭載した「3D車外ビュー」がそれです。
ディフェンダーは、ラグジュアリー用途の「レンジローバー」、レジャー用途の「ディスカバリー」と並ぶJLRを支える3本柱の1つで、本格的なオフロード走行を想定した車です。約30年ぶりに全面改良し、デザインだけでなく機能も大幅に刷新しました。さらに、新たな電子プラットフォーム「EVA2」を採用し、コネクテッド機能を強化。OTA(Over The Air)によるソフトウエアの更新に対応しました。
5ドア仕様の「ディフェンダー110」は、全長4945×全幅1995×全高1970mmで、ホイールベースは3020mm。トヨタの「ランドクルーザー」、メルセデスベンツの「Gクラス」、欧米FCA(Fiat Chrysler Automobiles)の「ジープ・ラングラー」などが競合車に当たります。主な顧客層として30~40代を想定しています。
オフロードを走るからといって、快適性や安全性を犠牲にすることはありません。ディフェンダーの開発では、街中を走行する際の静粛性や運転のしやすさ、ADAS(先進運転支援システム)などにもこだわっています。将来的には、オフロードでの自動運転を目指しているといいます。試乗リポートは日経クロステックの記事『ランドローバー「ディフェンダー」、大柄だが感覚つかみやすい』をお読みください。
今回は、このディフェンダーに搭載した運転支援機能「3D車外ビュー」からの出題です。
3D車外ビューは運転している車の周囲を車外から見たイメージで確認できる機能です。「駐車時などに役立つ」とJLRの日本法人でマーケティング・広報部プロダクトスペシャリストを務める藤井崇史氏は説明します。
他社と大きく異なる特徴は、その視点にあります。日産自動車を始め多くの自動車メーカーが採用する車を真上から見た視点ではなく、斜め上の視点で確認できるのが特徴です。
画面に表示した車体の様子は細かい部分も目視できます。例えばウインカーやブレーキランプの点灯、ドアの開閉状態なども表示します。
さて、この斜め上から見た画像はどのように実現しているのでしょうか。次の中からお選びください。
1:車体に有線で接続した超小型のドローンを飛ばし、車体を斜め上から撮影して実現
2:車車間・路車間通信(V2X)の機能を利用して付近に設置されているカメラの画像を利用して実現
3:車体の周囲に配置したカメラで撮影した画像を合成して実現